モーニング朝小説

きたまくら

自然を大切にしようね!

釘崎って苗字、かっこいいよね。

鍵谷って苗字もいいよね。

文字の中に金属が入ってるのがまずいいしさ、声に出した時の響きもいい。


そう言われて俺は彼女と別れることを決心した。

俺の苗字は釘崎でも鍵谷でもない。



それが俺の苗字。


釘も鍵も鉄からできている。

鉄を生成するには、森の木を伐採し

高音の火を起こさなければならない。


人間はなぜ森の木を伐採するのだろうか。


その起源は約1万年前まで遡る。

一万年前のある人間、当時の人名はわからないので、ここでは便宜的ににジェノサイド高崎とする。


ジェノサイド高崎は森の中のちょっと開けた場所にお気に入りスポットを見つけた。

ここで出てくる森とは前述の森君ではなく森林の森のことである。

わかりづらいので次からは森林の森のことは栃木と記述することにする。

ジェノサイド高崎は栃木の中に日のさすお気に入りスポットを見つけたので、メンバーのみんなも呼んでここでライブをやろうと思った。

バンドメンバーのみんなとチケットを一緒に配って、当日までに3曲のオリジナル・トラックと盛り上がる定番チューンを練習して仕上げた。

たくさんの客が来ても対応できるように周囲の木を切り倒し、いい感じの空間を作り上げた。


しかしここで問題が発生した。

ライブ当日になって、ボーカルの釘崎ミツルフォンブラウンが風邪をひいて声が出なくなってしまった。


セットリストにはオリジナル曲がはいっているから、代理のボーカルを立てるわけにもいかない。


しかたなく、いつもバンドの一番右端でタンバリンとコーラスをやっている鍵谷がボーカルをやることになった。


鍵谷はいつもコーラスをやっていたので結構音感があったし、声も良かった。

タンバリンを担当していたこともあり、リズム感もなかなかだ。

そしてボーカルに集中したことにより、一層表現力も増した。


ライブは大成功に終わった……。






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