第4話 東阪昌(とうさかあき)
昨日は久しぶりに楽しかったなー、と思い出しながら昼休みの廊下を歩いていたら、広輝と加藤さんが話してるのが見えた。
昨日の事を聞かれている様子だった。
彼女が広輝を好きな事くらい見ればわかる。
なのに、広輝は全く気づいてない。
それでいい。ずっと気づかなくていい。
僕だって
「広輝の事が好きなんだから」
べつにこの事が、他の人に知られたって気にしない。 むしろ、知れ渡って、本人に知ってほしいくらいだ。
昨日、歩道橋で広輝を追いかけながら、加藤さんが広輝を見ているのに気づいた。
その時に、意外と加藤さんは美人な顔立ちをしている事がわかった。
でも、だからって何とも思わない。
だって、僕の方が広輝と一緒にいる時間が長いのだから、彼女より先に広輝に告白するつもりだ。
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