寿命の半分

人間とドワーフ、エルフの冒険者が、冒険の果てにダンジョンの最奥で悪魔と出会った。

悪魔は冒険者たちの残りの寿命と引き換えにさまざまなものを授けるという。

悪魔はエルフを見て言った。

「エルフよ。お前の寿命の半分を私に捧げるなら、世界の全ての知識をやろう」

「お断りだ。」エルフは言った。「お前に仕えるほど私の命は安くはない」

悪魔はやや落胆して、こんどはドワーフに言った。

「ドワーフよ。お前が寿命の残り半分はとうていエルフには及ばないが、寿命の残り半分を私に捧げるなら、刃こぼれすることはない最高の武器をやろう」

「お断りだ。」ドワーフは言った。「人生の残りの半分で、仲間と飲む酒の方が価値がある」

悪魔はかなり落胆して、最後に人間に問いかけた。

「人間よ。お前の寿命の半分を私に捧げるなら、20万ゴールドを年利1パーセントで貸してやろう」

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