幼龍編 奴隷の労働力
ふん!ドライトさんだ!
今俺様がなにしてるかと言うと、、、
「かあちゃま、どれいのかんとくかんってこんなしゃべりかたでしゅかね?」
「ドライト?乱暴な口のきき方は許しませんよ?それに分からないならやらなければ良いじゃないの」
「それもそうでしゅね、、、」
私の名前はゾーラン、ハイエルフでエルフ達の最長老をしている者だ。
つい先日だったか、何年前の話だったか思い出せないが私達エルフ族やその他の妖精族は生まれ故郷である世界樹の森の防衛のために集結していた。
するとこの大陸にある山脈にかなりの力を感じて他の長老や妖精族と山脈を見ていると突然都市や宮殿が現れた、幻影術に優れるピクシー族の長老が「あれは幻影だと!」叫んだ。
だが、皆信じられなかった。
あれほど巨大で精巧な幻影が創れるものなのか?
ピクシー族の長老も私でも無理だっと首をふっている。
すると懐かしく優しい力の波動を感じた、、、
メルクルナ様!?
他の長老達も感じとったのかざわめいている、すると幻影が消えメルクルナ様の力の波動も消えてしまった。
いったい何事なのかと皆で話し合ったが巨人族の長が見に行こうと言い出し、見に行く事で決まった。
だが、それが間違いだった、、、
山脈を登っているとまたもメルクルナ様の力の波動を感じて急いで行くと、突然近づくな!っと呼び止められた。
相手を見ると懐かしい顔だった、、、ジェードとテレサではないか!
だが、2人は遥か昔に亡くなったはずだが?
2人がこちらに来て話をしていると、、、あれはルーク?トニーも居る!他の仲間達も!
嬉しさのあまりに目的を忘れかけたがメルクルナ様がここに神界を創ると聞き皆でご挨拶がしたいと言うと許可をとってくると、ジェード達がメルクルナ様の元に向かうと少ししてメルクルナ様自らこちらにこられた。
なんともったいない!
我等のために自らこちらに来られる、、、なんだあれは!?
メルクルナ様の頭にしがみついてるのは、、、ベビードラゴンか?
灰色のベビードラゴンがメルクルナ様の頭にしがみついてる!
周りの長や長老達が激怒し怒鳴りつけるとベビードラゴンは平然と言ってきた。
「うるちゃいものどもでしゅね?だしゅんがしっかりしてないからこんなものがえばちぇるのでしゅよ!?」
だしゅん、、、?なんの事だ?
そう考えていると仲間の巨人族の長とドワーフ族の長老が、、、
「だしゅん、、、?駄神って事か、、、?」
「ま、まさかメルクルナ様の事か、、、!?」
その言葉を聞いた私も他の長老も怒りを露にし、思わず叫びだす!
「き、貴様!我等が敬愛するメルクルナ様に対してなんたる無礼!討伐してくれるわ!」
私の言葉を聴いてメルクルナ様が嬉しそうに言葉を返してきた。
「おお!勇気ある者達よ、この無礼者を討伐するのだ!」
メルクルナ様のその言葉に皆がそれぞれの武器を手に取った、その瞬間!
「やるならやるでしゅよ!?」
偽装!?
ベビードラゴンではない!?
こ、これは幼龍!?
それにしてはこの力はいったい!?
幼龍と言うことは、、、ま、まさかディアン様とセレナ様のお子様か!?
そう気づき、またあまりの力の違いに我々は頭をさげたのだった。
「「「「「すんませんでした!」」」」」
しかし、ドライト様に武器を向けた罪は赦されず我等は各氏族ごとメルクルナ様とドライト様の奴隷とされ、神界を建築するための労働力として働かされていた、、、
「も、もう、無理だ、、、」
ズズーン!
その声と音に振り向くと体力自慢の巨人族の長が倒れていた。
我々長老衆はドライト様に無理矢理下級神にされ、この一年間休み無しで食事もまともな物を与えられず眠ることすら許されずに働かされ、最早限界を迎えていたのだ。
他の長老が倒れた巨人族の長に声をかける。
「お、起きろ!ドライト様に見つかったらどんな目にあうことか!?」
「わたしゅがどうしゅましたか?」
「ヒィ!ド、ドライト様!」
「まったく、かきゅうしんにしゅてあげたのにやすむとはなにごとでしゅか!?」
そうドライト様が叫ぶと後ろから声がした。
振り向くとそこにはメルクルナ様が居り、以前と変わらぬ優しい声で語りかけてきた。
「どうかしたの?」
そう言いながらこちらに輿こしに乗ってやって来たメルクルナ様が倒れた巨人族の長をチラッと見て。
「なにを休んでいるの!私の宮殿の完成が遅れるでしょう!ドライトさんもっと厳しくなさい!」
その言葉を聞いたドライト様は、「かくごしゅるです!」っと言いながらその両手に1本づつ鞭を取り出した。
そして目をギュとつむり、掛け声と共に振り回し始めたのだった。
「あちょー!」
パシーン!パシ!パシ!パシン!
「いたーい!いたっいたっ痛いって!」
何故かメルクルナ様に当たりまくっている光景を見ながら、何故こんな事にと私は頭を抱えるのだった、、、
「っというほうこうで、けんせつしゅるのはどうでしゅか?」
「長いわよ!」
「シ、シリカ姉様、私真面目な話だと思って真剣に聞いちゃいました、、、ううう」
「す、すげえ、脱力感が、、、!」
「ドラちゃん、、、感動した、、、!」
「アンジェはお黙りなさい!」
「と言うかアンジェは今の話のどこに感動したのよ!?」
「シリカ姉様、、、
メルクルナが鞭で滅多打ちにされる所に、、、笑ったw」
「感動なんかしてねぇじゃねぇか!」
するとそばで聞いていたゾーランが言ってきた。
「ハ、ハハハ、、、な、なんにしろ私達を下級神に強制的にする所は笑えましたね?」
そう言ってゾーランはメルクルナとドライトを見たがメルクルナは顔を背けてしまった、頭に乗っていたドライトも顔を背けたのでほぼ真後ろを向いたドライトの目の前にセレナが居た。
「ドライト?」
「い、いやちがうんでしゅ!
ちょうろうたちゅならかんたんになれしょうなので、ためしゅたらできちゃたんでしゅよ!」
「うむ、ハイエルフ、お前は中級神に他は下級神にしっかりなっているな」
ディアンが龍の眼で確認したようで皆に伝える。
精霊族の長老や長達は驚き慌てていると、メルクルナが言い始めた。
「めでたい事にあなた達は神に至りました。
これからはここに建設予定の神界に住み神の仕事にたずさわるのです!」
「ちょっと、メルクルナ、、、」
「何ですか?シリカさん、、、」
メルクルナはシリカに向けて極上の笑顔を見せた。
「あなたドライトとつるんであなたが長老達を神化させたでしょ?」
ニコニコ笑っているメルクルナだが頬がピクピクしている。
「シリカの姉御、どーいう事?」
「このゾーランさん亜神としても結構強かったのよ?
そのゾーランさんに気づかれずに神化するのはドライトでも流石に無理よ?」
「あ、、、」
「サルファも気がついたみたいね、、、」
「え?サルファ姉教えてよ!」
「つまりね?ドライトさんが神化したんじゃなくってメルクルナさんが神化したのよ、、、」
「へ?でもメルクルナじゃパワーは、ともかく制御ができないんじゃ、、、?」
「だから、それをドライトさんが制御したのよ」
「な、なるほど、ゾーラン達もメルクルナからの力の波動だから油断して気づかなかったって事か!」
「それだけじゃないわね、、、」
「え?シリカ姉様まだ何か?」
「アンジェが隠蔽して隠してたのよ、だからディアン様も龍の眼で見るまで気づかなかったのよ、、、」
「どうりでドラ公のヨタ話の時にメルクルナとアンジェがおとなしいなぁ?って思ったんだよ、、、
おい!お前ら反省し、、、い、居ねぇ!?」
「あそこでヌーマ様とセレナ様に捕まってるわ」
先ほどまで隣に居た3人は一瞬でかなり離れたところに逃げ出していたが、ヌーマとセレナに捕まりお仕置きされていた。
「あ、あいつらこんな時だけ素早く動きやがって、、、」
「でも、不思議ですわね?」
「何がよ?サルファ」
「メルクルナさんは部下が欲しい。
アンジェは面白そうだから。
じゃあ、ドライトさんはなんで参加したのかしら?」
「そりゃ実験したいからじゃ?」
「実験はジェード達とメルクルナさんを神化と強化した時にしてたじゃない?」
「あれ?」
「そう言えばそうね、、、?」
そう3人は言うと尻を抱えて悶絶しているアホ共を見るのだった、、、
「くぬうぅぅうぅぅ!」
「、、、!」
「お、おしゅりがあぁぁぁ!」
「オゴォォォアァァァ!」
「実験は面白かったけど、、、お尻の、ダメージが、、、!」
「かあちゃまのもいたいでしゅが、ヌーマばあちゃの一撃があぁぁぁ!」
「ちょっと、ドライト!」
「シ、シリカねぇ!いまはそっとしておいてくだちゃい!」
「ぬほおぉぉぉぉ!」
「、、、な、何かの力に、、、目覚めるかも!」
「どーすんだこれ?」
「お昼の準備しましょうか、、、?」
「そうね、、、お昼食べながらで良いか、、、」
こうして皆でお昼となった。
「お前ら反省したか?」
「メルクルナさん、あなたは最高神なのですから勝手に人を神化しないようにしましょうね?」
「ドライトもよ?あまり我が儘だとまたお仕置きされますからね?」
「優秀な部下はいくらでも欲しいんです!私が楽をするために!
それに妖精族を指導するなら、やはり同じ妖精族から出た神が良いですからね!」
「良い実験だった、、、」
「おしゅおきはこわいでしゅが、じっけんなしゅではしんぽしないでしゅよ!」
「こいつら全然反省してねぇぞ!?」
「メルクルナさん、、、もうジェード達がいるじゃないですか、、、」
「とくにドライトは1度実験してるんですから、何度もしなくても良いでしょうに、、、」
「あ、こんかいはじっけんがもくてきじゃないでしゅ!」
「なら何で神化させたのよ?」
「ここでさいしょのはなしゅにつながるでしゅよ!」
「へ?あの与太話に?」
『はい、メルクルナさんはもっと部下が欲しい、特に先ほどもメルクルナさんが言ってましたがジェード達ではトニーさんと同じドワーフ族以外の妖精族は反発するかもしれませんからね』
「じゃあ、アンジェも他に理由があるの?」
『アンジェ姉さんは私達の創った新種が生まれた時に優秀な者を神化させるために試したかったんでしょう』
「うん、、、本番で失敗は、、、ダメ、、、」
「、、、ゾーラン、長老達ってこれで全員?」
「、、、他にも隠してませんか?」
「リア!サルファ!」
「じょ、冗談だって!」
「私の分も用意させなさい!」
「シリカ姉様、、、」
「メ、メルクルナ様お助け下さい!」
「ごめんなさい!部下はいくらでも欲しいの!」
「メルクルナ様!?」
『最後に私が参加したのは建築を彼らに任せて私が楽をするためです!』
「「「そんな事だと思ったわ!」」」
そんな話をしているとセレナがドライトに質問してきた。
「、、、ねぇドライト」
『なんですか母様?』
「彼らを奴隷として使い、あなたやメルクルナさんにシリカ達が監視しながらだと何年ぐらいで神界が完成するの?」
『100年で完成すればラッキーですね、中級神になったゾーランさんやジェードとテレサさんが居ますが神域と神界の構築は彼等でもかなり難しいです』
「じゃあ、あなたとメルクルナさんが監督してジェード達や妖精族の者にも手伝わせて何年位?」
『10年ぐらいですかね?やはり神域や神界の部分が特に難しいですから時間がかかりますからね、、、』
「最後にドライトもメルクルナさんもシリカ達も全員が建築に集中したらどの位で終わのかしら?」
『1ヶ月もかかりませんよ!神界や神域も私にかかれば1週間ほどで創れます!』
「、、、ドライトが一番楽できるのは100年?10年?1ヶ月?」
『それは1ヶ月に決まってるじゃ、、、あれ?』
「それにメルクルナさんにアンジュラ?100年も家無しで良いの?
世界の管理もあるし、あなた達が思いや力をこめた者達も1ヶ月ほどで生まれるのでしょう?」
「「、、、あ!」」
「こ、こいつ等、、、」
「ドライトさんって変な所で抜けてますわよね、、、」
「ドライトとメルクルナもアンジェもだけど目先に面白そうな物が転がってるとそっちに集中しちゃうんじゃない?」
「お、おかしいでしゅよ!?どこでけいしゃんまちゅがえましゅたか!?」
「そ、そうよね!?楽が出来る予定だったはずなのに!?」
「、、、なんども計算しなおしたのに、、、ドラちゃん、もう1度計算しなおそ?」
「いい加減に諦めて自分達で頑張りなさい!」
「ちょ、ちょんなあぁぁ、、、」
こうして俺達は自力で神界の建築に入ったのだった。
あ、ゾーラン達妖精族はメルクルナの眷属神けんぞくしんになれるのは光栄だと、自分達の各氏族に連絡してメルクルナの眷属神けんぞくしんになりましたとさ!
「つまりわたしゅのぶかともいうことでしゅね!」
「「「「え!?」」」」
「もんくあるでしゅか!?」
「「「「勘弁してください!」」」」
こうして俺は新たな部下もこき使いながら建築を進めるのだった。
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