幼龍編 巣への帰還そして建築へ
ただいまでござる!ドライトさんでござるよ!
いやぁ、巣に帰ってきてから嬉しくてホクホクしまくちゃってますよ!
邪神の魂にメルクルナから魂の欠片もゲットしてレア素材がザクザクで、もーウハウハのゲヨゲヨですよ!
「さて、巣に帰ってきましたしドライトこちらにいらっしゃい?」
「かあちゃまなんでしゅか?これからじゅけんとかいもうとたちゅのおせわがあるでしゅよ?」
「あら?忘れてしまったのあなたらしくもない、、、お説教の事よ?」
「へ、、、?」
「勝手に王都に行っちゃうなんて悪い子ね?さぁ、こちらにいらっしゃい?」
「、、、」
シュバ!ガシ!
俺は飛び上がり加速して飛んで逃げようとしたが、ある事を忘れていた、、、
そう俺はいまだにメルクルナの頭にしがみ付いていたのだ!
そして俺を逃がすまいと両手で俺を抱えるメルクルナと目が合う。
「だ、だしゅん!はなしゅでしゅよ!?」
「ふふふ、、、今までの恨みよ!何があろうと離さないんだからね!」
「と、とうちゃま、たしゅけてくだしゃい!」
「あー、、、卵の世話はしておくからな?」
「とうちゃま!?」
ガシ!
「ふへ?か、かあちゃま、はなちて!はなちて!」
「さぁ、こちらにいらっしゃい?」
「あ、あのセレナ様?私も掴まれてるんですが、、、?」
「メルクルナさんにもお話があります、、、ドライトを剣で斬りつけた件とかについて、、、ね?」
「あ、あはは、、、剣と件ですか、、、面白い冗談ですね、、、?」
「、、、」
「かあしゃま、むごんはこわいでしゅよ!」
「いやぁぁぁ!なんで私までぇぇぇ!?」
こうして俺とメルクルナはお説教とお仕置をされてしまったのだった。
「ううう!な、なんで私まで、、、!?」
「あなたはまだいいでしゅよ!わたちなんておちりペンペンもされたのでしゅよ!?」
「いや、お前のは自業自得だろ?」
「ドラちゃん、、、許嫁を見殺しにした罰もあるから、、、」
「ドライトさん、アンジェの言うことはともかく、まだ幼龍なのですからあまり1人でフラフラしてはいけませんわよ?」
「ドライト?反省した?次からどこか行きたいならちゃんとセレナ様か私達に相談してから行くのよ?」
「ま、まぁいろいろてには、、、チ、チーズをまたもらいわしゅれましゅた!」
「こいつ反省してねえな、、、」
などとシリカ達と話ながら妹達の元に行くと父様とガンジス祖父ちゃんが人化して喧嘩をしていた。
「ディアン!拭き方がなっとらんぞ!」
「黙れくそ爺!ちゃんと綺麗になってるだろ!」
「ええい!わしにやらせんか!」
「そうじゃ!ディアンは力任せにこすっているだけ、、、わし等に任せておけば良いのだ!」
モリオン祖父ちゃんも参戦しディアンから世界樹タオルを奪おうとしていた。
「やめるでしゅよ!?」
「「「ドライト!お前からも言ってやってくれ!?」」」
綺麗にハモって言ってきたが、俺は父様からタオルを奪い取り言い放った。
「いもうとたちゅのきょういくにわりゅいでしゅ!
それにふくときはこうしゅるんでしゅよ!」
そう俺は言うと、タオルを手に取って拭き始める。
世界樹の葉のタオルを純水に漬けてしぼり、微量の魔力を流し込みながら丁寧に卵を拭く、卵全体を綺麗に拭き終わると、乾いたタオルで水分を綺麗に拭き取り向きを変えて卵全体が太陽に照らされるようにした後、もう一つの卵を同じ工程で綺麗にして向きを変える。
「ふぅ、、、きれいになりゅましゅたよ!」
『『にーちゃ、ありがとう!』』
「キャンプもおもしゅろいでしゅが、やっぱりおしぇわをしゅるのはわたしゅじゃないとだめでしゅね」
「ふふふ、、、ドライトったら、、、」
「父親も祖父達もなさけないわねぇ?」
「男衆で頼りになるのはドライトだけね、、、」
などと祖母ちゃん達に言われて父様と祖父ちゃん達がしょぼーんとしているので他の話題をだしてあげた。
「ちょーいえばメルクルナさん、あくうかんをつくってすむばしゅつくるゅんじゃないんでしゅか?」
「、、、忘れてた!」
するとシリカ達が、、、
「メ、メルクルナ、あなた最上級神になったんですから、、、」
「忘れるのはまずいんじゃないのでしょうか、、、?」
「おい、、、本当にこいつにユノガンド管理させといて平気なのかよ?」
「最上級でも結局は駄神、、、」
っとメルクルナをボコボコにした。
「うわーん、、、もう1個思い出した!」
「「「「、、、駄神」」」」
「ムキィー!駄神ゆうなー!」
話が進まないので母様が問いかける。
「それでメルクルナさんは何を思い出したの?」
「あ、それなんですけどストーンサークル以外の良い場所無いですかね?」
「メルクルナ、ストーンサークル以外に神域を創るの?」
「レムリア様元々ストーンサークルは仮の宿として創るつもりだったんですよ、
龍の産卵地である世界樹に近すぎるので龍神の方々に悪いですし、、、」
そう、メルクルナが恐縮して言うとヌーマ祖母ちゃんとモリオン祖父ちゃんが言いだした。
「あら!メルクルナなら大歓迎よ!他のアホが神域を創ったら魂ごと噛み砕いてやるけど、、、」
「そうだな、、、あそこなら龍の里からも近いし何かと便利だろうしな、、、」
「あ、あの便利って、、、?」
「ううむ、、、それなんじゃがな、、、」
「何かお困り事が有るなら微力ですがこのメルクルナがお手伝いしますのでおっしゃってください!モリオン様!」
するとモリオン祖父ちゃんが言っても良い物なのか、他の龍神と顔を見合わせ、そして意を決して話し始めた。
そしてその内容を聞いたメルクルナはどんどん青ざめ、聞き終わった時には土下座状態になっていた、そしてその内容とは、、、
実はシリカが卵で産まれた頃から、人族がちょくちょく世界樹の根元まで来る様になったっと言う事なのだ。
ただ単に世界樹の根元に人族が来るのは珍しい事ではない、エルフやハイエルフはちょこちょこ来るし人族も年に何度か来る。
ただし、それらの者は必ず印や決められた手順で狼煙を上げるなどして敵意が無く世界樹の葉や枝に雫、そして世界樹の森のさまざまな物資を目的としていると龍族に伝えるのが決まっていた。
しかし、300年前のシリカが産まれた時からそういった手順を無視し森を守るエルフを排除してまで、侵入してくる者が現れたのだ、そしてハイエルフが龍神のモリオンもたらした情報は龍族のみならず龍神をも激怒させかねない物だった。
ハイエルフ達がこれ以上森を騒がして、龍達の不評を買うのは不味いと自分達ハイエルフとエルフ達を動員して侵入者を撃退し、幹部を捕まえる事に成功した。
そして拷問の末に得たのが侵入者の目的が龍の卵だったと言う事だった。
そう龍の卵を狙って来たと言うのだ、、、
もちろんその話を聞いたモリオンは激怒し次に世界樹の根元にまで侵入者が来れば森ごと侵入者を焼き尽くし、魂から目的と本拠地を聞き出した後はその全てを無に帰すと吠えたのだった。
ハイエルフ達はその言葉を聞き、正しい手順を踏まずに森に入る者はすべて排除しますのでお許しくださいと懇願した。
龍神の中でも温厚と言われていたモリオンがこれだけ激怒したのである、ハイエルフ達はこの世界のすべてのハイエルフとエルフ達に号令し、自分達の里から優れた戦士をすべて世界樹の森に集める様に命じたのだった。
エルフはこの世界でも美しく長命である、、、
エルフ達を奴隷にしようと目論んでいる愚か者達も多くいる、優れた戦士達を世界樹の森に送り込めば自分達の里の防衛がおろそかになるが、 自分達の生まれ故郷である世界樹の森の一大事なので全戦力を送り込もうとした所でモリオンの頭が冷え戦士達を呼び寄せるのを止めた。
そしてこの件は自分だけの胸の中に隠しておくので侵入者に関してはエルフ達で対処して欲しい、ただし私が何もしない訳にはいかないので選ばれたエルフの戦士100名を連れてくれば加護を授ける、そしてその戦士だけで対処できなければ私を呼べと命じたのだった。
そしてハイエルフとエルフ達はハイエルフから10名、エルフから90名の優れた戦士達を集めてモリオンから加護を授かり、その力で世界樹の森の防衛に当たったとの事だった。
選ばれた戦士達は優秀で加護の力も有り侵入者を撃退し、そしてシリカが無事に孵ると侵入者も来なくなった。
だが話はこれで終わらなかった、戦士達を解散させようと考えた所で1人のハイエルフの長老が一応もう少し様子を見るべきだと主張したのだ。
それから、10年に一度人選をしてエルフによる世界樹の森の守備隊が結成される事になり100年続ける事に決まったのだが、、、
50年後にサイファが産まれるとまたもや侵入者が来始めたのである、そして得た情報はやはり卵を狙ってのものだった、、、
ハイエルフとエルフ達は激怒し、侵入者をすべて討ち取ると首謀者と断定された者達の暗殺を始め30年かかり、すべて暗殺した、、、
これですべて終わったと思っていたエルフ達だが、カーネリアが産まれるとまたもや侵入者が入り始めたのである、しかも規模や装備がより強大になって。
なんとか撃退した後に首謀者と思われる者達を調べたが前回と同じ様な人物ばかりで傀儡だろうと言う事になり、暗殺は取りやめ世界樹の森をどう防衛するかに話が変わった。
そして色々な準備をしているとアンジュラが産まれたので世界中からエルフの戦士達とドワーフや本来は敵対関係にあるダークエルフまで動員して警備していた。
そして来たのは、、、
もはや侵入者ではなく軍だった、激戦を続け自分達精霊族の生まれ故郷と言われる世界樹の森を守る為に他にもドライアートや巨人族に海からは人魚族が、戦う力のほとんど無いノームやピクシーまでも参加しての激戦だった、、、
ジェード王国もこの時点で気付き、他の大陸から来ているらしい軍を急襲し何度も撃退している、しかし後から後から次々と現れる軍はジェード王国の勢力圏外から上陸すると世界樹を目指したのだった。
そしてモリオンがとうとう激怒し軍のすべてを無に帰して終わったのだった。
この時に森の一部が消滅して他の龍神達が気がついたのだが、モリオンがクシャミをしたと誤魔化し事無きを得た。
温厚なモリオンだからこそこの程度で済んだのである、他の龍神に知られていれば他の大陸は全て海に沈んでいたであろう。
だからこそメルクルナはその事に気付かなかった事とその様な愚か者が何処から湧いたのかで最早立っていられない程に真っ青になり座り込んでいた。
この300年にそんな事が起きていたとは知らなかった他の龍神達はこの話を聞きどうなったか、、、
龍神達を恐る恐るメルクルナやディアンとセレナにシリカ達が見ると、まるで波の全く無い湖面の様に落ち着き払っている様に見えた。
だかそれは怒りが爆発する寸前だと、メルクルナや龍達は知っている、、、
そして、、、
「ガアァァァァア!」
「グルオォォォン!」
「ゴガアァァァア!」
怒りが爆発した!
辺りの魔素が一気に高まり、とてつもない圧迫感が周囲に放たれ、3頭の龍神は真の姿を現しその体長は100mを超える。
「オノレ!オロカナヒトゾクメ、スベテヲ“ム”ニカエシテクレル!」
「ミナゴロシダ!リュウイガイノモノタチヲ、ミナコロシツクシテヤル!」
「ホロベ!ホロンデカラジブンノオロカサヲシレ!」
メルクルナやシリカ達は恐怖に怯え、ディアンとセレナはどうすれば良いのかオロオロしている、モリオンもこの3体の龍神が相手では止めるのは無理だと思っていた所に突然ブレスが放たれた。
モリオンやディアンにセレナも驚くほどの威力のブレスは3体の怒りに狂う龍神達に当たり霧散した、、、
そのブレスを放った者はと言うと。
「じいちゃとばあちゃたち、うるちゃいでしゅよ!」
「「「グルゥゥゥ、、、」」」
流石に自分達の可愛い孫は認識できるようで本気モードでブレスを放った後、元の姿に戻って行くドライトを見つめて困惑した様な声を出していた。
「それにしょんなにまそをだしゅたり、いあつしてたりゃステラとルチルのきょういくといくしぇいにわるいでしゅよ!」
さらにドライトは続けて言い放った。
「そんなわるいじいちゃとばぁちゃたちゅには、だっこしゃれましぇん!」
「「「グロオォォォン!?」」」
その一声で怒れる3体の龍神は慌てて魔素の放出を止めて威圧も止める、さらに先程までの30mから25mほどのサイズに戻ったのだった。
「ド、ドライトや!年寄りの楽しみを奪わんでくれ!」
「そ、そうよ?あなたやステラとルチルを抱っこする事だけが私達の老後の楽しみなのよ?」
「ドライト?私達が悪かったから楽しみを取らないでね?」
「わかってくれればいいでしゅ、いもうとたちもこわがってましゅたから、はんせいしゅるでしゅよ!」
その言葉で慌てて3体の龍神はさらに小さくなり卵の世話を始めて、孫達のご機嫌を取り出したのだった。
そしてガンジス達が落ち着いたのでディアンにセレナ、シリカ達とメルクルナが近づいてきた。
「ド、ドライト、、、あなたよくガンジス様達を止められたわね、、、」
「ドライトさん勇気がありますわね、、、」
「いきなりブレス放った時はガンジス様達にやられるんじゃないかとヒヤヒヤしたぜ、、、」
「、、、ドラちゃん凛々しかった、、、お祝いに今日は添い寝してあげるね?」
「あ、あんじぇねえさんは、あいかわらずでしゅね?」
そうドライトは言うと何かの作業を始めた。
「でもお手柄よ?もう少し止めるのが遅かったら、どこかの大陸が海に沈んでたかもしれないしね、、、」
「ああ、、、流石は俺の息子だ!」
「ドライトさんありがとうございます!
しかし双子の妹さん達を利用して止めるだなんて旨い手を考えましたね?」
するとドライトは1度作業の手を止め、皆に心外だと言ってきた。
「いもうとをりようなんてしちぇませんよ?」
「え?でも、世界に危害を加えたら抱っこさせないって、、、?」
「そんなことはひとこともいっちぇましぇん」
するとモリオンが来て聞いてきた。
「ならドライト何故あの3人を止めたのじゃ?」
「それはいもうとたちゅがこわがってたのと、いくしぇいにわるいからでしゅよ!
やるならもっとはなれたばしょでやるべきでしゅ!」
この発言にシリカ達は
「お、お前な!」
「ド、ドライトさん、それでは他所でなら問題ないって事に、、、」
「ドラちゃん、、、妹思いの良い子、、、」
「ア、アンジェ、あなたもねぇ、、、」
っと呆れていたがセレナとディアンは
「そうね?もっと離れた場所だったら止める必要なかったのかしら?」
「そうだな、、、そう言えばドライトが産まれた事は知れ渡っているはずなのに今回は来ないのだな?」
「そう言えばそうね?」
そこでドライトにしがみつき、世界の事も少しは気にしてください~!
っと泣いていたメルクルナが、言い出した。
「太ってて龍だと思われなかったんじゃないんですか?w」
そう言った次の瞬間、メルクルナは慌てて宙に飛び上がった。
何があったかと言うとメルクルナが飛び上がっと同時にメルクルナが居た場所にドライトの尻尾がもの凄い勢いで通過したのだ。
「ド、ドライトさん今の一撃、本気でしたね!?」
そう言いながら着地しようとしたが、、、
チャポン!
と水音がすると共にメルクルナが宙に浮く水球の中に消えた。
それを見ていたカーネリアとディアンがそろって嫌そうな顔をする。
そして、、、
ブクブクブク、、、ザパン!
「スッぺぇぇぇ!?痛!何これ!何これ!?目が痛い痛い痛い!!」
「ふ、おろかものがでしゅ、、、」
ジェード達が慌ててメルクルナに駆け寄り、洗い流してるのを横目で見ながらまた作業を再開する。
メルクルナが綺麗に丸洗いされて、涙目でドライトに抗議しようと近づくがドライトが集中して何かの作業をしているのに気がつきその手元を覗きこんだ。
「何作ってるんですか?」
そう言いながらよく見ると、何体もの同じような人形が作られていた。
「パペットでしゅよ?これでもりをまもるのでしゅ!」
「お人形遊びですか?まだまだ子供ですね、、、」
「バカねメルクルナ、よく見て見なさいよ?1つ1つにかなりの魔力と魔素が込められてるるわよ?」
「それにこれ世界樹の枝葉に純水、、、泥に見えるのは賢者の石ね?」
「なんだこれ、やたらと細かい魔術陣が組み込んであるな?」
「結構可愛い、、、ドラちゃん少し頂戴?」
「アンジェねぇさん、、、いいでしゅけどすこしでしゅよ?」
そうドライトが言うとアンジュラは人形を選び始める、そして奥の方にある大き目の物を目ざとく見つけ10数体のうちから2体を選んでドライトにこれが良いと渡した。
「しゃしゅがアンジェねぇさんでしゅ、いいものをえらびましゅたね!」
「なあ、ドライトこれどーするんだ?」
「これで森を守るとか言ってましたが、ゴーレムかオートマタでも作るのですか?」
「、、、に、してはやたらと力が込められてるし、この魔術陣は、、、ホムンクルスに近いかしら?」
「ドライトさん、小さいのだと10cmで大きい物でも30cmしかないですよ?
これではエルフ達の援軍としても厳しいのでは、、、?」
するとドライトは念話で説明し始めた。
『これはメルクルナさんが神域を創るのと森を守るのと関係しています、
パペットと言いましたがシリカ姉が正解に近いですね』
「へ?私の神域、、、?それにシリカさんが言ったってホムンクルスですか?」
『はい、かなりホムンクルスに近い物ですが能力は段違いになりますよ?
それに世界樹の森を守るのに一番良いのはメルクルナさんが森にも近いストーンサークル内に神域を創るのが一番です。
モリオン祖父ちゃんもそれがあるから便利だと言ったのでしょう』
「いや、確かにあそこに創って良いなら便利だし光栄だけど、
ジェード達が居るからってすぐに動ける訳じゃないわよ?」
『なんにしろ、結果を見れば理解できます、、、あ!』
人形を次々と作っていたドライトは突然手を止め声を上げるとメルクルナに向き直った。
『メルクルナさん、本来の姿ってどんなのですか?』
「へ?本来ってこれが本来の姿だけど?」
『羽が有るとか腕が実は6本とか目が1億個有るとかじゃありませんか?』
「1億って多すぎるわよ!、、、あ!羽が有ったわ私!」
「「「オイ!」」」
「駄神、、、」
メルクルナは本来の姿に戻るとあまり変わり映えしてないが確かに羽が生えていた、
しかも6対12枚の美しい羽だった。
「ふふーん!結構綺麗でしょ?自慢の羽だから普段は仕舞ってるんだ!」
「それで忘れるのはどうかと、、、」
「まぁ、、、!確かに綺麗ですねメルクルナさん!」
「6対12枚も有るのか、、、」
「駄神のクセに、、、生意気だよ、、、?」
「リアさん、アンジェさんそんな言い方、、、へ?6対12枚!?」
「「「自分でも気がついてなかったの!?」」」
「やっぱ駄神だ、、、」
するとドライトが理由を教えながら、メルクルナにフヨフヨと近づいて行く。
『それはメルクルナさんの力が増したからでしょう、、、(ガシ!)
元々あった物よりも美しく力強くもなっているはずですよ?』
「そんなんですか!?最上級神になって良かった、、、ドライトさん、なんで羽を掴むんですか?」
『それは、羽が必要ですからですよ!』
「いやあぁぁぁぁ、、、あれ?」
思わず無理矢理むしり取られる思い叫んだメルクルナだが、ドライトは信じられない程に丁寧に優しく羽をすくい取っていく、、、
そして、集められた羽を大量に作られた人形の元に持って行くと、、、、
何時の間にかアンジュラが選んだ2体以外にも、1万体近くを別に選り分けていた。
残っているのは千体にも満たない数である、流石にドライトも注意する。
『アンジェ姉さん流石に取り過ぎですよ、、、返してください』
だがアンジュラは立ち塞がってイヤイヤをして渡す気配が無い、仕方がないのでドライトはまた新たに人形を作り始めた。
新たに人形を作っている間にドライトがメルクルナに指示を出していた。
『メルクルナさん、どうせですからあと髪とか血をくれませんか?切り落とした爪の先でも良いですよ?』
「へ?そ、そんな物どうするのよ!ペロペロ舐めるの!?」
『アホですかあなたは、、、ホムンクルスを“創る”時に必要なんですよ、、、』
「ふーん、、、あれ?“創る?”“作る”じゃなくって?」
『はい、“創る”です。
一応メルクルナさんの部下を創っているんです、森と神域の警備や仕事の手伝いなど色々出来る様にしますけど、メルクルナさんの部下だと判りやすくするためにメルクルナさんの体の一部と力がが必要なんですよ』
「ぶ、部下!?血でもなんでも持ってって!」
興奮しながらメルクルナが叫ぶと、ジェード達が近寄って言ってきた。
「あ、あの?ドライト様がお創りになると言う事はかなり強力なんですか?
私達は不必要になるんでは、、、?」
『何言ってるんですか?メルクルナさんの部下ですがあなた達の部下にもなるんですよ?
流石の私でも、まだ一から神を創り出すのは無理ですからね?』
「将来的には出来るんですか、、、と言うか材料さえ揃えば創る事が出来るんですか?」
『材料と言われても、亜神として高位の神格を持つ魂が必要ですよ?
例えばジェードさん達とかです、そんなのホイホイ落ちてると思うんでか?』
「なるほど、、、」
自分達が強制的とは言え、ドライトに神にしてもらったのを思い出し納得したジェード達は後ろに下がり、メルクルナにおめでとうございます、とお祝いしていた。
その話を聞いていたアンジュラとシリカ達は、、、
「ねえ?こっちもメルクルナの部下にするの?」
『いえ、そっちは違いますよ。
アンジェ姉さんはリクエストありますか?』
「運を天に任せる、、、」
『いや、それは、、、』
「だいじょぶ、、、私は運が良いから、、、」
そうアンジュラは言うと、自分の羽の一部から皮膜を取り出し細かくしていく、さらに血や抜けた牙なども創り出した壺に入れていく。
それを見ていたシリカ達3人も自分のを入れ始めた。
ドライトは仕方なくある程度自分で設定するかと考え作業に戻ったのだった。
そして夕方近くになってやっと作業が終わる、凝り始めてしまったドライトは前に作ったのも点検し直して3万体近くの人形を作ったのだった。
メルクルナの前には大き目の12体と2万体が、
アンジェ達の前にはアンジェが選び抜いた大き目の10体(作っている間にさらに奪われた)と1万体が置かれ、その脇にはそれぞれ羽や皮膜に血液や髪に牙と爪等々が入った壺が置かれていた。
「ふぅ、、、かんせいしましゅたよ!」
「ドラちゃん終わった、、、?早く創ろう、、、?」
「部下部下部下!私の部下!早く早く!」
「ふ、ふたりともおちちゅいてくだしゃい!」
「アンジェにメルクルナさん楽しみだからと言って急かさないの!」
「これからの事をドライトさんに説明してもらいましょう?」
「そうだな、結構ホムンクルスやオートマタなんかとは違うみたいだからな」
そうカーネリアが言った事で皆がこちらを見て黙ったので説明を始める。
『とりあえず今完成したのは入れ物です、これからこれに魂を入れます』
「ちょ、ちょっと待って魂の精製はかなりの力と技術が要るわよ?疑似魂を創るのか混沌と秩序の海までわざわざ行くの!?」
そうメルクルナが言ってきたのである物を2つ取り出した。
それは、、、
「それって、、、」
「たしかガンジス様が討伐した邪神の魂の入った珠と、、、」
「お前がメルクルナから奪い取った魂の欠片と力の入った珠だよな、、、?」
「邪神の魂、魂しか感じられない、、、神格とか力とか自我全部消えてる、、、」
『これを使います、アンジェ姉さんが言った通り邪神は存在を消して魂だけになっています。
しかし元が神で上級まで至っていたのでかなりの大きさですので、、、こうします』
次の瞬間、邪神とメルクルナの金剛石の宝珠2つが融合し光り輝く宝珠になった。
そしてドライトが力を籠めると、、、
砕け散ってしまった、そしてそれを見ていた5人にドライトは
『メルクルナさんとジェードさん達で亜空間を創ってそこに先程用意したと素材を入れてください、
シリカ姉達と私で別に亜空間を創って同じように素材を入れましょう』
そう指示を出すと皆大人しく従い亜空間を創り素材を入れていく。
『さて、次の手順です、、、』
そうドライトが言うと砕けた宝珠と人形が次々と亜空間に入り込んでいく、、、
『では、メルクルナさん力をとあなたの思いを亜空間に入れてください』
「私の思い、、、?」
『はい、これから創られる者は新しい生命ともいえます。
しかもある意味ではメルクルナさんの子供とも言えるのです、、、
その子供にどうな風になってもらいたいか、ただ単にメルクルナさんの命令に従う“人形”になって欲しいか、、、
それともあなたの部下として、そしてあなたの“パートナー”としてジェード達の様に意見してくれる存在が良いのか、、、
選ぶのはあなたですよ?メルクルナさん、、、』
そう言うとメルクルナは黙り込み真剣な表情で力と思いを送り込み始めた。
そしてシリカ達に向き合うと、
『こちらも始めましょう、こちらも思いを入れたいのですが、、、』
「ですが?」
『複数で思いを入れると失敗しそうなので龍種の考えなどを基本にして設定してありますので力だけ入れましょう』
「えー、、、つまんねぇなぁ、、、」
「ちょっと残念ね?」
「ドラちゃんと私の子、、、ポッ!」
「アンジェ、、、気が早いわよ?」
((((まぁ、勝手に思いも少し入れちゃえば良いや!))))
(っと考えているでしょうね、、、まぁ、さっきの脅しが聞いていますからそんなには思いを込めないでしょう、、、)
そして力と思いが満ちた亜空間が閉じていく、それを見つめるメルクルナとシリカ達は真剣な表情だった。
『これで1ヶ月も経って成功してれば新たな生命が生まれるはずです、あとはメルクルナさんが神域を創って住む場所を用意するだけですよ』
「、、、ドライトさん手伝って?」
「はぁ!?」
「だってこれだけ色々創れるんだから、私達の住処も凄い物造ってくれそうなんだもん!」
「い、いえわたしゅにはいもうとたちゅのおせわがでしゅね!?」
「えー、昼間だけでも良いから造ってくださいよ!生まれるまで1ヶ月ある事だし!」
「な、なにをいっ「造ってあげなさい」かあちゃま!?」
「ここまで関わったんですし、メルクルナにはこれからも色々働いてもらうつもりなんでしょ?」
「ううう、、、」
「「ドライト、私達からも頼むわ?」」
「レ、レムリアばあちゃにヌーマばあちゃもでしゅか、、、しゅかたないてじゅね?
てつだうのはひるまだけでしゅよ?」
「やったあ!色々な凄い機能をつけて神様が住むに相応しい家をお願いします!」
「は、はやまったでしゅか、、、?」
こうして俺は巣に帰還してすぐに神域の建築をする羽目になったのだった。
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