第82話
それからしばらくはコロシアムに通うことになった。
Cランクの試合、ここもまだまだ余裕があり瞬殺で勝ち上がっていく。ピンクのハチマキとウチワを持っている客がちらほらといる。
次の日からも朝から商売に励んでるためユウヤとミラは朝イチからいない。相変わらずセツナが無防備でたまに欲望が爆発しそうなところを抑える朝の生活だった。
Bランクにいくと、さすがに罠魔法一発では倒せなくなってきたが、俺が活躍する場もなくセツナの魔法で次々撃破していく。女の子ばかりに働かせて少し申し訳ない。評判が怖い怖い。
ユウヤ達は相変わらずのゴリ押しでまだまだ余裕そうだ。ハチマキとウチワの集団が徐々に増えてきたのが目に見えて分かるようになってきた。
Aランクは俺も戦闘に加わるようになった。 素早い魔物や魔法の効きにくい相手がきたからだ。
といっても素早い魔物は足元を凍らせて、魔法の効きにくい魔物には岩を飛ばして物理的にと、セツナ一人でもどうにかできてしまうが、それそろ動かないと俺の存在感がなくなりそうだからな。
ユウヤ達はミラの超広範魔法とユウヤの剣が敵のそんな特徴すら問題なく勝ち続けていく。ファンクラブのようなものが出来上がったのか、ハチマキ軍団とウチワ軍団がものすごく熱く応援していた。
とりあえず最初の目標のSランクまではこれといって問題なくこれた。腕試しの目的もあったがここからだろうな。ありがたい事に経験値も入ってくるのでレベル上げにもなる。
まぁ俺の場合は上げたところで強くはならないけどな。
Sランクの戦闘はAランクの敵が多数出てくる対戦方式だった。
ユウヤ達は相変わらずド派手に暴れながら勝ち上がっていく。
対して俺達はかなり苦戦を強いられる。セツナの魔法は応用が広く効くが、敵を大量に殲滅するには向いていない。そして俺は10秒の男だ。
セツナが氷の道や壁を駆使して敵を集め俺が一瞬で切る。
そんなことを繰り返しなんとか勝ち星を上げていく。
ユウヤ達は変わらず一日でSSランクに上がったのに対して、俺たちは一日一勝で五日かけてどうにかランクアップをすることができた。
その間あの二人は商売にとても勤しんでいた。勝てば勝つほど盛況していく。
すでに勝つよりこちらの収入のほうが圧倒的に多そうだ。ミラのお金を集計している時の至福の顔を見ながらユウヤは嬉しそうだ。変な女の人に騙されるなよユウヤ。
そしてSSランクに上がり宿に戻ると仲間達を集める。
「みんなお疲れ様。Sランクの収入でも十二分に生活出来るし、賞金を使って明日はカジノに行ってみるか」
俺はそう言うと女性陣二人の目が輝く。
「キターーー!!」
「勝ちまくってやりますよ」
雄叫びにも似た声に俺とユウヤは苦笑いしながらも初めてのカジノに少しワクワクしてしまう。
そして俺たちは明日に備えて爆睡する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます