第738話 ど男騎士さんと大性郷の意思

【前回のあらすじ】


「チンミチ・マイ・フレンド……」


「ニシー!!」


 大性郷が残した謎アイテム黒ニンニク。

 それは彼の股間で大きく育った男の証。

 ではなく、彼に寄生していた寄生獣ニシーであった。


 大性郷死すともチン〇は死なず。

 その精〇はたとえ彼が倒れたとしても次の世代へと受け継がれていくのだ――。


「いい話風に見せてまたチン〇ネタか」


 パイ〇ーツよりよっぽど見えてるチン〇。


 もはや第七章のタイトルから変えた方がいいのではないかというチン〇乱舞の本作ですが、やはり仕事の疲れから来るものかと思われます。

 誰かタスケテ。


 肉体労働。

 最初は考えなくていいかなと思ってやり始めたけれど、やりだしたら思いのほか頭も使うし体力もいる、精神力もいるで大変。

 という所で、なんとか次の仕事を見つけたいkatternです。


 ほんと辛い。


 みんなよくこんなんで小説とかかけてるね、僕は無理っすわ。


「話が脱線してる!! 本筋に戻って!!」


 〇筋がなんだって!?


「もう頭が!!」


 筆者、多忙につき頭の中がだいぶやばいことになっておりますが、続けていればそのうちなんとかなるだろうと思って今週も頑張ります。

 ははは、なんともなってねえから、このザマなんだけれどね。


「ギャグ書きは精神病むってよく言うけど、典型的なそれよねコイツも……」


◇ ◇ ◇ ◇


 ニシー生存により沸き上がったパイ〇ーツ・マルミエヤン・ドットコムのメンバーたち。

 大性郷は死んだが、その意志はこのちん〇に生きているのだ。

 騒ぎに騒いで各々明日に備える。


 そんな中、男騎士と魔剣エロス。

 そして、黒にんにくことニシーが静かに宿舎を後にした。

 向かったのは、大性郷が散った西の海がよく見える港。


 男騎士の手には大性郷が好きだった酒。


 その瓶の口を魔剣エロスで飛ばすと、彼はなみなみと白波へとそれを手向ける。


 はたして今頃は水泡と帰したか大性郷。

 そんな彼のために、生き残った男騎士ができることはこれくらいしかなかった。


 次々に、自分の大切な人が居なくなっていく。

 男騎士の表情に忸怩たるものが浮かぶがそれも一時。既に彼は覚悟を決めている。感傷に浸っている暇などなかった。


 では、なぜこんな場所に居るのか。


「さて、ティト。俺がお前だけに話しておかなければならないことがある」


「あぁニシー。性郷どんへの手向けは終わった。お前の話を聞こうじゃないか」


「なんなんだよ、勝の爺さんや次郎長の奴ら、あとてん――謎の大陸商人Xにも聞かしちゃならねぇって。そんな重要な話があるのか」


 ある、と、黒ニンニク。

 その二つの根茎から伸びた茎をふにゃりと揺らして、寄生獣は頷いた。

 思わず、その具体的かつリアルな動きに、男騎士たちが息を呑む。やる気のない時の自分たちのそれと、寄生獣の姿はまさしくそっくりであった。


 黒ニンニク。


 なぜ黒いというだけで、こうも卑猥になるのか。

 あるいは、ニンニクそれ自体にそういう効果があるかもしれないが、それにしたってあんまりにもビジュアルがアレであった。


 とかく、男騎士たちは月下に黒ニンニクの声に耳を傾ける。


「まぁなんだな、チン道についてなんだがな」


「性郷どんがどうしたというのだ?」


「立派な最後だったじゃねえか。大海原で竿立ちで最後まで敵をひきつけての討ち死に。将兵として立派な最後ってもんだぜ。俺の時代にもあれくらいの猛将が居たらと思ったもんだ。東の島国にはもったいないくらいだ」


「それなのだが――あれはチン道であってチン道ではない」


 なんだってと、男騎士と魔剣が同時に叫び声をあげる。


 そして黒ニンニクが鎌首を上げる。

 申し訳ないとその先すぼりになった茎の先で、ぎょろりと目玉を回すと彼は男騎士たちに目と竿だけで謝意を表した。


 とはいえ言葉の意味が測りかねる。

 チン道であってチン道ではないとはどういうことか。


「先に話にあった通り、チン道は性難戦争において既に戦死している」


「あぁ。それはそう聞いた。けれども、なんの因果か生き延びて、こうして俺たちと合流したといういことではなかったのか?」


「魔法かなんかの類なんだろう。そういうのはなんてーか俺もいろいろと経験があるから分かるぜ。というか、今から俺たちも死んだ人間を生き返らせようとしている訳だからよう」


「いや、チン道の身体は既に明恥めいじ政府に回収されている。死してその身体を、死霊術師などに利用されて、国家転覆などに利用されてはたまったものではないからな」


 うん、と、男騎士と魔剣エロスがお互いを見やる。

 黒にんにくの言っていることは間違ってはいない。確かに彼が言う通り、国家の英雄の死体をみすみすと放置しては、それを反体制派の勢力に利用されてしまう可能性がある。


 その可能性は速やかに潰しておくべきだろう。


 しかし、それなら先ほど、自分たちを守るために船に残った彼は何なのか。

 理屈が合わないと思った時、ふと、男騎士はある可能性に思い至った――。


「ニシー。君は確かその宿主――寄生先――を自由に変えることができたはずだな?」


「いかにも。ティト、知力がない割にはいい所に気が付きやがるな」


「……おいおい、まさか、それじゃぁお前」


 性郷であって性郷ではない。

 その状況を解決する、たった一つの方法が男騎士たちの頭の中に浮かぶ。


 かつて、バビブの塔で出会った魔性少年もそうであった。

 肉体という楔を捨てて、この世に顕現する方法がこの世界にはある。

 そして、それができるまさしく相棒を、大性郷は持っていた。


 股間に持っていた。


 そう。


 黒ニンニクである。


「チン道は、戦に赴く前に、俺を自分の身体から切り離して海に捨てた。そして、俺に海の中を漂い、チン道の影武者として再びこの世界に現れるようにと願いを託したのだ」


「……切り離して」


「……捨てる」


「自分がいなくなって後、明恥政府が道を誤った時にそれを正すために。チン道は俺をこの世界に残した。そして、俺は道を誤ったと感じたから、こうしてこの世界に現れた。男と雄の約束――その為に、あのチン道は俺が作り出した生前のコピーなんだ」


 ひゅんと股間を抑える男騎士。

 大性郷の決死の行い。

 この国を憂いて行った英雄的行動。


 しかし――。


 いささか男の身の上には聞くに辛いものがあるものであった。


 国への忠節。

 人々への思いやり。

 死して尚、国を思い続けるはまさしく志士。


 しかしながらいかんせん。


「すまない、ニシー、ちょっと股間が痛すぎる」


「心のちんちんしかない俺にも、なかなかそれは痛い話だぜ」


「ちなみに、チン道と私の身体は痛覚を共有して」


「「あぁーっ!!」」


 スプラッタ過ぎて、ちょっと涙失くしては男には聞けない話だった。

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