第442話 どエルフさんと異世界武闘伝
【前回のあらすじ】
儀式魔法――
わざわざ第三部隊が裏切り者であるという情報を残した理由が分からない。
敵の狙いはなんなのか。
いや、そもそも、敵とはなんなのか。
そんな中、リーナス自由騎士団の古株、冬将軍が何かを確信して言葉を紡ぐ。
連邦騎士団に裏切られたことはない。はたして、その言葉の真意とは――。
「毎度意味深な感じで週末終わるけど、実は何も考えてないでしょ」
ばれましたか。
そう、この最終日の更新はすべて、なんかそれっぽいことを言っているだけ。
そこまで含めて、某作品に対する残酷な作者のテーゼなのですよ。
分かっていただけたでしょうか。
分かってください。
お願いします。
「なんか言語野が崩壊気味ね。なんかあったの?」
公募原稿をちょっと頑張り過ぎまして、体力が残っていなかったりします。あと、やっぱり職業訓練が大変で、ちょっとパワーが足りなくなってるみたいですね。
ぴゃー。ぴゃぁー。ぴぁゃぁー。
「……この調子じゃ、まだまだ作家の道は遠そうね」
ですねぇ。まぁ、気長にやりますです。
生きてるだけで丸儲けですからそこは命優先で。
ともあれ、就職したら少しペースを落とすことになりそうです。
まぁ、そんな感じで、今週もすっとぼけファンタジー、どエルフさん始まります。
「ほどほどにしておきなさいよ」
◇ ◇ ◇ ◇
「なんなのあの拳の紋章は……」
あまりに非現実的な光景に女エルフが目を瞬かせる。
竜騎王といい、彼女といい、最近徒手空拳――素手での戦闘でのパワーインフレが起こっている。そんなことをついつい思って放心したすきに、また、
いけない、このままだと見失ってしまうと、慌てて動いたその時。
「お姉さんも、さっきからコソコソとつけてきてなんなの。私に何か用かしら?」
「……なっ!?」
まるでその動きを把握することができなかった。
ついさっきまで、女エルフの前を進んでいたはずの少女は、いつの間にか彼女の目前に現れていた。さきほど見せたありえない身体能力をまた使ったのか。
なんにしても、突然目の前にあらわれた少女に、またしても女エルフの思考が止まる。
その一瞬の隙が戦闘においては命とりである。
「もう、こっちの世界の人たちはなんなの。ほっといて欲しいのにどいつもこいつも追い回してくるし。異世界に来たんだから、ゆっくり観光くらいさせてよ」
「えっ、あっ」
「お姉さんも私の邪魔をする感じ?」
だったら、容赦しないよ――。
そう言って少女が拳が握りしめる。再び、拳に浮かび上がる、ハートと女王の紋章。その拳が光って唸り、女エルフを倒せと轟叫ぶ。すわ、天にちんぴらを打ち上げた、必殺のアッパーが炸裂するかと思われた。
だが。
「やめろ!!」
「……ティト!!」
男戦士が、咄嗟に割って入ってそれを止めた。
少女の握りしめた拳を掴んで、じっとその顔を睨みつける。
いつの間にという感じの顔をする
一瞬にしてその表情は真顔に戻り、握りしめたまま、そして、男戦士に手を掴まれたまま、彼女はそれを振り上げたのだった。
パンチによりチンピラの体が浮いたのだ。
それが腕にしっかりと組みついている。
フルプレートメイル。鎧により重量が増しているにも関わらず、男戦士の体が浮き上がる。漢祭りを前にした大事なその身が――。
「きゃぁ!! 痴漢よぉ!!」
「ぐぁっ!!」
「ティト!!」
無残にも宙を舞った。
チンピラと同じく、近くの建物の天井近くまで飛ぶ男戦士。打ち上げられた鉛色の花火を前に、どうすることもできない女エルフ。鋼の塊をまとった彼が、みすみす落下すれば大ダメージは免れない。
群衆が彼の落下予想位置から離れていく。
きゃぁきゃぁと、喚く中、女エルフは魔法を行使しようとするが――こんな時に、どのような魔法使えばいいのか分からない。
戸惑ううちに、男戦士の体は重力に絡めとられて落下を始めていた。
万事窮す。
女エルフが目を瞑りかけたその時――。
「雷魔法!!
【魔法
「東〇くぅん!! 今〇くぅん!!」
「……ヨシヲ!!」
すんでの所で救援が駆けつけた。青い衣装こそ身に着けていないが、雷魔法を使わせれば当世一。ヨシヲが男戦士救援のために魔法を使ったのだ。
地面から発せられる磁力と反発して、男戦士の体の落下がゆっくりとなる。
――ラン、ランララ、ランランラン。
あるいは。
――あの地平線。
そんな感じで光り輝いて男戦士が落下してくる。
その姿は、ピンチのはずなのに、なんだかこう。
「その者、鋼の鎧をまといて、港の街に舞い降りる!!」
「ババさ――じゃない、ビクター!! 大丈夫なのこれ!?」
何が大丈夫なのかは分からなかったが、とりあえず、男戦士はダメージを受けることをなんとか免れたのだった。
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