どエルフさん ~仲間殺しの罪を背負って騎士団を辞めた元騎士、奴隷狩りに襲われていたエロい女エルフを助ける。エッチなエルフたちとはじめるきままなハーレム冒険者生活。~
第82話 どエルフさんと千年に一度の美エルフ
第82話 どエルフさんと千年に一度の美エルフ
【前回のあらすじ】
さらわれた少女エルフを救出するため、エルフさらいのアジトを探す男戦士たち。
交渉のすえ、「結婚願望のあるエルフをエルフさらいの親分に紹介したい」という体で、捕まえたハーフオークにアジトへと案内してもらうこととなったのであった。
しかし、「結婚願望のあるエルフ」に心当たりのない女エルフ。
そんな彼女に対して、男戦士は、「居ないのなら、理想のエルフを作ればいい」と、言ってのけたのだった。
はたして男戦士の真意とは――。
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「私が、熟れ熟れのじゅくじゅくの結婚適齢期エルフ五百歳、エルフィンガー・ティト子よぉおおおお!!!」
きらめくパーマーのかかった金色の髪に、まるでケチャップでも塗りたくったような真っ赤なルージュ。
ひじきのようにごん太のまつ毛に緑色の瞳を揺らして、顔面はおしろいを塗りたくったように蒼白。
どうしてか、所々に粉が吹いているのが見て取れる。
顔から下はといえば、赤いボディコンスーツにどたぷんとたわわにメロンサイズのビックおっぱい。
そのぴっちりとしたスーツから伸びている手足は、野山を駆け回って鍛えたのだろうか、逞しい腕と足が伸びている。
そして剛毛。自然というよりも野生を感じさせる濃ゆい体毛が、バイソンのような足に映えていた。
彫の深い顔をこちらに向けたそいつの耳は、申し訳程度に尖がっている。
まるで、粘土で無理やりとがらせたようなそれは、彼女が髪を振うたびに何故だがその金色の毛を絡めとった。
――うん、なんだ、これ。
そう、思ったのは女エルフだけではない。
暗黒騎士、そして、彼らがいる店の店主を除いた誰もが、言葉を失ってその場に立ち尽くしていた。
そんな妙な間を裂くように、熟れ熟れエルフがまた口を開く。
「想像妊娠でオークの子を身ごもること三桁!! 愛するより乱暴でもいいから愛されたい!! エルフィンガー・ティト子よぉおおおお!!!」
「いいから、分かったから、落ち着きなさいよ!!」
絶叫する熟女エルフ――もとい、女装した男戦士にすかさずツッコミを入れたのは、本物の女エルフだった。
長らく行動を共にし、相棒として認めていた男。
その男がやって見せた理想のエルフという体での女装。
そのあまりの衝撃的な姿に、彼女が覚えた戦慄は言葉にすることは難しかった――。
ツッコんだはいいけれど、その次の言葉に困って黙り込んでしまう女エルフ。
そんな彼女の横をすり抜けて、男戦士に歩み寄ったのは店主のおやじと暗黒騎士であった。
「なるほど、五百歳エルフとは、考えたなティトよ」
「年若いエルフにはない、どこからともなく滲み出てくる圧倒的な大人の余裕。そして物理的かつ精神的な包容力。なんてバブいエルフなんだ」
「店主のおやじ、それにシュラト。お前たちならわかってくれると思ったよ」
手を取り合い、熱い涙を流す男戦士と店主のおやじと暗黒騎士。
そこには、おそらくその三人しかわかりあうことのできない、妙な、そして強烈な空気がたちこめていた。
「それがお前の理想のエルフ、最高にバブれるエルフということなんだな、メチャデッカー」
「あぁ、これこそ俺が求める理想のエルフ。ママエルフも捨てがたいが、熟れに熟れた純潔の体を火照らせる行き遅れエルフもまた――」
「あぁ――」
「いぃ――」
何かを分かち合って天井を見上げる三人。
そんな三人を白い目で見つめながら、女エルフはまた、言葉を見失うのだった。
「あんなの毎日相手にして、アンタも大変だな」
「――本当にね。なんで、私、あんなアホを相棒にしたんだろう」
同じく隣でドン引きしている少年勇者にかけられた言葉には、流石に女エルフも答えを迷うことはなかった。
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