442 グイン・サーガ・ワールド 4
2012.02/ハヤカワ文庫
<電子書籍> 無
【評】 ―
● 第一部完
没後に刊行された、栗本薫の遺稿の発表と他作家による外伝・続編を掲載したシリーズ。全八巻の四巻目。
当ブログでは原則栗本薫に直接関わるものについてのみ言及する。
『スペードの女王』
2008年に出版予定だったが書き上げられずに中絶となった伊集院大介シリーズの長編。
この『グイン・サーガ・ワールド』最終巻まで分割して連載されているため、感想は最終巻にまとめます。
『日記より』
今回は1978年の2月から6月末までの、江戸川乱歩賞受賞決定前後の日記が掲載されている。
評論家として忙殺されながら、いまの自分の仕事のほとんどは誰が書いてもいいような埋め草雑文仕事であり、このままで終わってはいけない、何年かかっても書くべきものを書くようになるのだという、強い意思表明に若さを見て、なんとも切なくなる。
若い時分の彼女の日記は軽妙で投げやりで自嘲的でもあれば陶酔的でもあり、読んでいると風車に挑むドン・キホーテを見るような、温かい切なさが満ちてくる。この時期の彼女の文章が、やはり自分はとても好きだ。
知り合いの編集者に『真夜中の天使』を見せるか迷い、しかし自戒して辞めているところなどもなかなか愛らしい。旦那に見せるまで、誰に見せるか長いこと悩んでいたのだな。
しかし、『レダ』もこの時期に書きはじめていたのか……何者でもない時期の純代ちゃんは、何者かであろうといい仕事をしすぎているな……。
『いちばん不幸で、そしていちばん幸福な少女 ―中島梓という奥さんとの日々―最終回』(著:今岡清)
ガンが発覚してからの中島梓の姿を旦那視点で書いた『ガン病棟のピーターラビット』の裏バージョンのような回。
栗本薫の死を悼む人々が求めていたような内容のエッセイであり、特に云うことはない。
グイン・サーガ外伝『星降る草原』(著:久美沙織)『リアード武侠傳奇・伝』(著:牧野修)『宿命の宝冠』(著:宵野ゆめ)の連載最終回が掲載。これをもって季刊発行していたこのグイン・サーガ・ワールドは一度終了するが、七ヶ月後に五代ゆう、宵野ゆめの手による正編の続きを掲載する形で再開することとなる。
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