第40話 99番ハッチ

ハルカワのヘッドセットのカメラ映像が消えた。

俺のいるコックピットのハッチはロックされて出られない。

仕方なく俺は操縦席のモニター前に戻って座った。

ハンドルを回そうとした手がしびれている。


俺「コックピットのハッチ、ロック解除の方法は?」


紫さん「機長、ハイジャックと判断してロックしました。」


俺「解除の方法あるだろ?」


紫さん「はい。地球の本社からの解除コマンドを受ければ出来ます。」


俺「すぐ送るよう通信だ。」


紫さん「はい機長。」


本社からの解除コマンドを受けないとコックピットは開かない。

紫さんの説明では、人工知能がハイジャックと判断すると自動的にロックされる。

犯人がコックピットに侵入したり、俺を襲うリスクがあるからだ。

他にも俺が人質のクルーを助けに行って被害が拡大するのを防止する目的がある。

まさに現在のような状況が当てはまる。


地球との通信には往復24時間以上はかかるだろう。

その間、俺はコックピットから出られない。

彼を助けに行けないので自動録画しているカメラ映像を分析することにした。


俺「紫さん、録画映像出して。」


紫さん「機長、99番ハッチの存在はご存知ですね?」


俺「とにかく、映像分析して対策を考える。」


紫さん「99番ハッチ、お分かりですね。機長。」


俺「映像出して。」


操縦席のモニターにはハルカワのヘッドセットカメラの録画映像が出た。






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