Plaintive Melody ー悲しい旋律ー
雨想 奏
哀切のモノローグ
*
私が、ちょっとしたことで犯してしまった過ちは
決して消えない罪を作った
その過ちで、彼から、彼の全てだった音楽を奪った私は
その繊細な指が奏でる、美しい旋律を耳にすることも
その繊細な指に触れて、その温もりを感じることも
もう二度と、できない
そんな私にできるのは
一日が終わろうとするたびに
ともすれば、夜の闇に紛れて消え入ってしまいそうなくらいに儚げな
あの頃の大切な思い出たちを
なんとかつなぎ止めようとすることだけ――
*
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