DNA

 少年は自らが無意識に放ってしまう不思議なオーラのルーツを探るため、いにしえより生きる竜のもとを訪ねた。

 年老いた竜は、はるばる山を越えて住みかへやってきた少年に向かって言った。


「ふむ。わしにはわかる、そなたには我らと同じ竜の血が流れておる」


「おいらに竜の血が……?」


「あー、違う違う」


 首を傾げる少年に竜は告げた。


「少年よ。竜の血が流れているのはおぬしではなく、おぬしの顔にいるカオダニじゃ」

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