巫女は旅人に言った。


「試練の山を頂上まで登ることのできた者のみが、戦神さまのご加護を受けられます」


 巫女は二手に分かれた山道を示した。


「頂上への道は二通り。一つは命を落とすかもしれない険しく長い道、もう一つは子供でも楽に登れる簡単で短い道。どちらから登っても、頂上までたどり着けば等しく戦神さまに認めてもらえます」


 旅人は尋ねた。


「わかりません。では、なぜわざわざ困難な道があるのです?」


 巫女は答えた。


「修行した感、が欲しいかた向け」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る