博識竜

 ドラゴンは相対した人間に言った。


「よくぞ来たな勇者よ……。だが、ここでお前の運命も終わりだ! 私の炎をその身に受ければ、骨の欠片も残るまい! ゆえにお前は、歯の治療痕から個人を特定されることもかなわぬ!」


「竜よ、貴様……」


 勇者は叫んだ。


「医学に詳しいな!」

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