あれは忘れもしない。


 中学二年の秋のある日。僕の携帯にこんなメールが届いた。


『いつも美術室で一生懸命に絵を描いているあなたを見ているうちに、あなたのことが好きになっていました。もし会ってくれるのなら、放課後、体育館村に来てください』


「体育館村……?」


 あれから五十年。

 その村はまだ見つからない。

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