褐色に染まる午後

楠樹 暖

第1話 デート

 デートの日はいつも喫茶店で待ち合わせ。

 でも今日は人が多く、席が空くのを待つ人たちで溢れかえっていた。

 彼の名字を書いて順番を待つ。約束の時間が過ぎても彼は来ない。

 遅い! 何やってるの!

「遅れてゴメン! 待った?」

「二名でお待ちのクスノキさまー」

「ううん、今来たところ」

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