第3話 遅刻

 いつも遅刻してくる男が今日に限っては早く来ていた。

「おいおい、お前が早く来るなんて、今日は雪でも降るんじゃないのか?」

 事実その日は午後から吹雪となった。

 夜通し降り続けた雪は朝になるとすっぽりと町を覆った。

 男はいつもより早く起きたが、雪のため電車が遅れて遅刻した。

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