夜の散歩

プギ

第1話 初めての散歩

 僕は夜に散歩に行くのが日常になっている。

なぜ、散歩するようになったのかは詳しくは覚えていないけど、その出来事をきっかけに僕は夜に散歩せずにはいられなくなってしまった……。


 確か、小学校4年生ぐらいの頃のはずだ。僕は基本1日を昼間友達とめいっぱい遊んで夜はすぐ寝るということを繰り返して生きていた。

ただ一度僕は夜に目が覚めてしまった!

 僕は目が覚めたらなかなか寝ることができなかったのでうずうずしていた。時計を見たら午前2時16分…もちろん、お母さん・お父さんは寝ている。起こすのも悪いとおもっていて僕は起こさなかった。朝まで何かゲームでもやろうと思ったが丁度クリアしてしまったばかりだったので気が乗らなかった。

 僕はそんなとき、ふと外に目を向けた。

ばっっ! とカーテンを開けて窓を開けて見た。

 「 うわぁぁぁ 」

僕は目を見開き輝かせた。夜の景色を僕はあまり見たことがなかった。星がたくさんあり、人があまり歩いてなく、とても静かだった。

 僕は興奮してしまい「そうだ! 外に出てみよう! 」と心の中で思った。そう思ってから、急いで着替え親を起こさないように玄関まで歩き、家のノブをそっと閉じた。

 そして僕は外に駆け出した!!!!

駆け出しながら周りを見ると窓から見たようにやはり静かで誰もいない…。

 「僕だけがこの世界にいるみたいだ」と呟いた。

 外によく行くが昼間と夜は全然違う場所みたいで高揚感を高まってくる。僕は駆け出すのをやめて歩きだして見た。

 そして、一度深呼吸をして落ち着いた。

 どのくらい時間が経ったかはわからないが「そろそろ帰ろうかな」と思った頃、僕は1人の男性を見かけた。さっきまではそこにいなかったはずの男性だ。

 30メートルぐらい離れているが、顔を帽子で隠していてよく見えず、黒いコートを着ている。僕は、こんな時間帯に人に見つかったら怒られてしまうとわかっていたので、一目には気を配っており周りをキョロキョロしながら歩いていた。だから、人がいたらもっと早く見つけることができたはずだ。僕はそう思った。

 その男性は後ろ姿を向いており、僕には気づいてなさそうだった。僕はその男性の後ろ姿を見つめていたら、不思議とついて行きたくなってしまったのだ。

 僕はなぜついて行きたくなったのかはわからないが、自分の好奇心に従おうと決めた。僕は、ばれないようこっそりと追いかけて走り付いていった。

 僕はその男性に近づいて驚いた。なぜなら、その男性はフルートを吹きながら歩いていたのだ。

 こんな、真夜中の時間帯にである。本来なら寝ている人が起きてきて苦情を言うかもしれないのにである。だが、起きてこない。なぜなら、音は一切聞こえないからだ。「吹いていないのかな?」とも思ったがその男性は自分には音が聞こえてるようにリズムよく歩いてる。吹いていないようにはどうみても僕には見えなかった。

 「あの人は何をしているんだろうと」僕はその男性のこと背後からずっとみつめ、考えれば考えるほど頭が混乱していった。その男性は僕が考えようが考えまいがお構いないようにリズムに乗って先に歩いていく。

 だが、僕はなにかおかしい現象がおこっているのは頭ではわかっていたのだが、体が勝手に動いており、ついて行くのをやめようとはしなかった。

 そして僕はまたばれないように男性の後にゆっくりと付いていくために歩き出したのであった。



.....そして僕はこの出来事をきっかけに人生の歯車が回り始めたのであった。

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