第5話-
上前津や金山には来た事があるが、両駅で乗り換えるのは初めての経験であった男は、しかしそれでも唐揚げが楽しみすぎて小走りで乗り換えを行った。
おかげで一本早い電車に乗り込めた男は、唐揚げさんに到着時間変更のメールを送る。
唐揚げさんはモモ肉の唐揚げを思わせる物腰の柔らかさを持っていて、それでいて唐揚げのようにエネルギーに溢れている感じの人であり、唐揚げだった。
待ち合わせ場所の東海通で唐揚げさんと合流した時、男の唐揚げ欲は最高潮に達していたが…
しかし唐揚げさんはカラリとした笑顔のままこう言う。
「ほんとに来た…(笑)」
「そりゃ来ますよ!」
「…いや、この時間に浄心からはなかなか…」
唐揚げのためなら、来れるのである。
これが唐揚げでなければ、お互いにここまでの行動力は発揮していないだろう。
駅から数分の位置にあるその中華料理店に入る頃には、お互いの唐揚げ欲求が大変な事になっている事を、お互いに感じ取っていた。
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