境界線

 虫たちの唄を聴きながら

 僕はこの夜を楽しんでいるよ

 月照らすそんな頃から秋になっていく


 もう簾も扇風機も要らないね なんて

 寝る前くらいはそんな考えも浮かぶけど

 太陽はまだ夏を演じてる

 だから日焼け止めは止められない


 予想通り何にもなくて

 モニターの前にかじりついて

 ああ あんなに蝉が鳴いていたのに


 寝転がって空を見た

 ずっとずっと遠くへ

 何処までも何処までも遠くへ


 海の蒼 空の青

 心の中まで真っ青に染めて

 白い紙ヒコーキは何処までも飛んでいくよ


 ずっと黙っている田舎の風景に

 騙し絵みたいにネコが駆けていく

 瞬きのスキに消えていた

 ねぇ、あれはもしかして…


 もうちょっとだけ静かに待っていようか

 ほら もうすぐ風の色も変わるよ

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