飛行機雲

 どうしても退屈だった

 したい事は幾つもあった

 けれど 何もしたくなかった


 物言わぬ昼下がり

 お日様は黙って笑うよ

 そして海は光だけ上手に反射して


 プラチナの景色

 世界は砂糖をまぶした

 ごらん 静かに光ってる


 誰も居ない海岸通りは

 フィルムの途切れた8mmの中

 心の底のぼやけた記憶


 同じ色の空と海

 ここ居ると全て無くすよ

 透明な雫になるよ


 あんまり静か過ぎて

 じっと目を閉じていたら

 悲しくもないのに泣いていた


 ずっと一人の風景

 風がそっと囁いた

 砂浜は変わらない繰り返しを

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