憂鬱の闇

 頭が痛い。会話が重たい。喉が渇く。

 憂鬱な自分の症状だ。

 頭の中で同じ妄想を繰り返す。

 楽しい妄想でも何度も何度も繰り返すと苦しくなり息が荒れる。

 辛い妄想なら動悸さえする時がある。

 強迫観念と呼んでもいい勝手に脳裏に浮かんでは消える苦しみは突然起きる。

 その時の自分は時間が止まった感覚になる。

 恐らく表情も止まっているだろう。


 憂鬱の闇が明けるのは一度眠ってからだ。

 それは脳を再起動をするからだろうか。

 とにかく憂鬱な時は苦しく眠たい。

 

 闇が明けてもまた曇り空になりそして暗くなる。

 脳内に青空が広がる時間は短い。

 今も分厚い灰色の曇り空が脳を覆っている気分だ。

 自分が生きている間は憂鬱の闇が完全に晴れる事はないだろう。


 生きる苦しみ、生きる罪、生きるのが業と言うのなら死ねば幸せになるのか。

 もしそう思っていたら私はとっくに死んでいるだろう。

 少なくとも今の私にとって死を選択するのは違うのだろう。

 憂鬱の闇に覆われた心の底からは死ねば幸せになると聞こえない。

 もしかしたらいつか聞こえるかも知れないが今は聞こえない。

 だから今を苦しみながら生きるだけなのだ。

 頭を抱えて泣いて叫んで無意味な妄想に苦しんで心で血を流して生きるだけだ。


 憂鬱の闇は冷たく暗い。

 両眼の裏に見えない暗さを張りつかせて今日もまた生きるだけだ。

 

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