〈森笛人〉と〈石砕人〉と〈小人族〉

◆〈森笛人〉(エルフ)と〈石砕人〉(ドワーフ)と〈小人族〉(レプトセファルス)は人間・獣人・魔族と同じく、古代神代人が生み出した奉仕種族である。



◯〈森笛人〉

◆〈森笛人〉は高次元通信/高次情報処理の担い手として、古代神代人に奉仕していた種族である。


◆〈森笛人〉の主な身体的特徴は、様々な形状をした耳である。また出身大陸毎に耳の形状に種々様々な目立った特徴がある。また何かの色味を微かに帯びた白い肌を持っている事が多い。BMI数値が標準値(二二)より軽い傾向にある。BMI数値が一〇ぐらいしかない〈森笛人〉は珍しくない。体型はとても細身でスマートである。


◆〈森笛人〉は魔術や弓術や射撃術に高い才能を示す者や、先天的に射撃補助の魔術を扱える者がとても多い。一度見聞きした事柄を、日時も含めて決して忘れないという超記憶能力も持っている。


◆高いテレパシー能力を持ち、そして霊感が強く、幽霊と会話する能力を先天的に持っている者が数多い。それからサイコメトリーの才能がある者も珍しくない。


◆基本的に菜食。肉や魚に対して強いアレルギー反応を持つ者が多く、昆虫と乳製品と植物/海藻を主に食べる。スギやヒノキといった裸子植物の花やその花粉を好んで食べる事も多い。ただ、他種族との混血が進み代を重ねると、肉や魚に対するアレルギー反応は弱くなる傾向がある上に、BMI数値も二二前後になっていく。肉や魚に対して強いアレルギーを持つ〈森笛人〉は、純血種に近い存在と考えてもいい。


◆寿命は長命で、平均寿命は三〇〇~四〇〇歳程。中には数千~数万年以上の長命を生きる者も存在している。


◆その長命と記憶能力を活かし、政府機関において記録管理/公文書業務を行なっている者も少なくない。また弓兵や銃兵として軍務や冒険者の職に従事している者も数多い。


◆基本的には単為生殖。そして女性の割合が極めて高い事が特徴である。〈森笛人〉と種族が違う者との間にしか、基本的に〈森笛人〉の男性が生まれる事はない。


ただ約一億分の一の割合で単為生殖で男性が誕生する場合がある。

そうして生まれた男性は一定の年齢になったら旅に出す部族が多く、また、そうした男性は英雄的な生涯を送る事になる場合が不思議と多い。


◆魔族と混血すると肌が濃い褐色、ないし黒色になる事が多い。そして闇属性の魔術(特に呪術系)に対して高い才能を示す者が少なくない。また通常の〈森笛人〉とは逆に、肉食/魚食をとても好む様になる傾向が強い。


◆人里離れた山や森の奥でひっそりと惣村/小規模な都市国家を作って暮らしている事が多い。


◆人語の他にも〈森笛人〉語(エルフ・カントゥス)を話す。〈森笛人〉語は超高周波帯で交わされ、常人の耳にはフルートの音色の様にしか聞こえない。


◆上記二つの特徴から、〈森笛人〉には『森の楽士』(ムジクス・シルヴァ/Musicus silva)という俗称がある。


◆大怪我を負うと筋力が一時的に激発的に増大化し、理性を失って暴走状態になる者もいる。女性がそうなった場合は〈暴森人〉(エルフ・ゴブリン)、男性がそうなった場合は〈怒森人〉(エルフ・オーク)と呼称される。


◆高周波発生能力を生かし、ガメラシリーズに登場する怪獣ギャオスの様に、高周波メスを喉に生成し、口から射出する『光る剃刀』(ルーメン・ノヴァークラ/Lumen novacula)という特殊技術を先天的に使う事が出来る。


◆工芸に非常に秀でた才能を示す人物が多い(特に木彫と織物と書道に優れた者が多い)。その為、〈森笛人〉が作り出す工芸品は美術品として極めて珍重されており、国際美術品市場において莫大な金額で取り引きされている事が多い。


◆子供を産んだ〈森笛人〉は、一般的に各地域の〈森笛人〉語で〈沃土〉と称される事が多い。子供を産ませた〈森笛人〉は同じく各地域の〈森笛人〉語で〈豊雨〉と称される事が多い。両者ともに子供を産み合った伴侶同士は、両者揃って〈沃土〉と称される事が多い



◯〈石砕人〉

◆〈石砕人〉は鉱物資源採掘の担い手として、古代神代人に奉仕していた。


◆〈石砕人〉の主な身体的特徴は男女差において顕著である。女性の〈石砕人〉は常人と身体的に変わる所はないが、男性の〈石砕人〉は総じて女性の〈石砕人〉の約三分の二~半分程度の背丈しかない者が多く、頑強で重厚な筋肉を持つ身体付きをしている。また男性の〈石砕人〉はBMI数値が三〇ぐらいある事が普通である。


◆肌と瞳の色が総じて黒色、褐色、赤茶色、濃朱色をしている事が多い。


◆男女の〈石砕人〉共に〈血統騎士〉に互する高い筋力を誇る。しかし〈血統騎士〉と違い高速で動ける能力を持っていない。その為、〈血統騎士〉と戦った場合は速度に圧倒され不利になる事が多い。


◆鉱物資源の種類や状態や含有量を、匂いや味で判別出来るという特殊能力を持ち、常人では窒息に至る様な低酸素/高気圧環境下でも生活出来る。その為、地下鉱山や地底空間に住んでいる者も数多く、地底国家を形成している事も珍しくない。


◆その能力を生かして鉱物資源の採掘業務を生業としている者が多い。また手先が器用な者が多いので、金属製品と宝飾品の製造と販売に従事している者は珍しくない。ハイペリオン合金の仲卸業者の大半が〈石砕人〉である。


◆冒険者として活動している者も珍しくない。武器鍛冶や、頑健な身体を生かして重盾兵/斧兵の職に従事している事が多い。



〇〈小人族〉

◆全長二〇センチメートルにも満たない大きさである事が顕著な特徴である。また男女差による身長差がない。BMI数値は標準値(二二)である。


◆神代時代に、妖精や精霊や土地神との相互コミュニケ―ションを円滑に行う為に作りだされたといわれる。


◆体長の小ささを生かして、様々な微細・細密加工品の製造を得意としている。また植物学と薬と機械工学に通じている物も多く、薬剤師や技師、薬理学や先端工学の専門家として働いている者も数多い。また妖精や精霊や土地神との相互コミュニケーションを目的として生み出された種族である為、祈祷師として働いている者も珍しくない。


◆多産種族であり、げっ歯類族の獣人族と並び、空域の中で最も人口割合が多い。また身体の小ささを生かし、極小地(街角の一区画)で独立国を築いている事も多い。

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