進捗09:発表、徳島悠里の場合

悠里「「それでは、ITJLG大学、新名研究室の徳島が、

『商品推薦における分類手法の見直しの提案』というタイトルで

発表させていただきます。


近年、ECサイトが爆発的に成長し、インターネットでの物販購入が盛んに行われております。

その中で、購買者の購買欲をそそらせる『推薦』についての研究も盛んに行われております。

大手ECサイトであるAmazonessは、購買者に対し商品の購入履歴から商品のレコメンドを行っております。


しかし、例えばパソコンパーツであるマウスを購入した場合、Amazonessでは別のマウスをレコメンドするメールが送られてきます。

マウスはすぐに壊れるものでもありませんし、このレコメンドでは返ってメールの受信数等も増え、購買意欲は減少すると考えられます。


そこで当研究では、マウスを購入した購買者に対しては、例えばマウスパットをレコメンドすると言ったような、

その商品に対して、セットで利用できる、又は、必要なもののレコメンドを行えるよう、

商品分類の分類手法を提案します。


手法としまして、まず大きなラベルの括り、例えば『PCパーツ』のラベルの中の商品に対し、

つながりのあるものを結びます。

例えば、マウスであればマウスパッド、モニターであれば、モニタークリーナー等です。


更にこれらの商品の括りの階層をより深く正確にするために――


…………………………


悠里「――という予備検証の結果、妥当性が示されました。まとめはスライドのとおりです。以上で発表を終わります」


司会者「はい、ありがとうございました。それではご質問のある方はいらっしゃいますか?」


手は和菜のときほど上がらない。


司会者「あ、ではコメンテータの方、宜しくお願い致します」


コメンテーター「や、大変素晴らしい発表をありがとうございます。コメンテータの萩原です。

かなり面白いことをされていますね。商品のラベリングの見直しですか」


悠里「はい、ありがとうございます」


コメンテータ「えーっと、分類とクラスタリングの違いをご存知でしょうか?」


悠里「勿論です。

分類は、その集合の先にラベルがあるときに使います。

例えば、マウスはPCパーツのように。

クラスタリングは、無秩序に散らばるデータから特徴を見つけ、それによって集合を作ることをいいます。

クラスタリングの先にラベルはありません。」


コメンテータ「正解です。よく理解されていらっしゃいますね。

それでは、今回分類を手法として選ばれた理由はあるのでしょうか?」


悠里「基本、大きな枠組みにはラベルが存在します。

そのラベルはユーザの既知の上で存在しているので、このラベルを壊すとユーザビリティの上でよろしくないと思い、分類という手法を選びました。」


コメンテータ「なるほど。確かにその通りです。しかし、せっかくアイテムを結ぶのですから、今度はそのラベルを超えた結び方をしてみては如何でしょうか?」


悠里「ラベルを超えた結び方、ですか?」


コメンテータ「例えば、スマートフォンを購入したユーザに、スマートフォンのケースを推薦するのは至極当たり前ですね?」


悠里「はい」


コメンテータ「これは、スマートフォンとスマートフォンのケースは、スマートフォン用品に分類されるからです。

しかし例えば、スマートフォンを購入したユーザに、コンポに挿せるBluetoothの受信機を推薦できたら如何でしょう?」


悠里「……!!なるほど」


コメンテータ「Bluetoothの受信機は、おそらく音楽機器に分類されていると思います。

しかし、スマートフォンを購入したユーザに、それを推薦出来たらもっと購買意欲は上がると考えられそうではないでしょうか?」


悠里「仰る通りです」


コメンテータ「今後の発展に期待しております。以上です」


悠里「ありがとうございます」


司会者「ありがとうございました。他に質問がある方がおられなければこれで終了とさせていただきますが………

はい、ではいらっしゃらないようなので、質疑応答をこれで終了させていただきます。ありがとうございました。」


………………………



華「おつかれ」


悠里「お疲れ様です!貴重なご意見をいただけました」


華「ああ、今後の発展に期待しているよ」


悠里「はい!」


華「さあ、次は高岸か…………」


………………………

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