第72話

 魔剣・・・その名の通り、魔力を持った剣である。その剣の中には様々な効果を持っていることから聖剣とともに数々の伝説に登場することが伝えられている。

 そして、魔剣職人は数が少なく1本の魔剣だけでもかなりの高額で売買が行われるほどである。

 魔剣職人だとしても作るのには数日から数年かかるものまであるそうだ。

「・・・それがたった2時間でか??」

「まあ、正確にはそうじゃないんだけどな。それでもあいつは本当にぶっ飛んでますよ」

「どういうことでありますか?」

 すでに魔剣をこんな短時間で作ってしまう主様に関してこれ以上驚いてしまうことがあっていいでしょうか。

「時空魔法」

 そして、その予想も覆す言葉が出てくる。

『おい、ヘファス・・・それは本当か』

「はい、あいつがやる気になったので俺も少し調子に乗ってしまったんですよ」

『なんといったのだ』

「・・・シルお嬢さんが寂しくて泣く前に戻れるといいなって」

「・・・あの親バカになんてことをいうんじゃ・・・」

「そしたらですね」

 おっとそこはスルーするんですね、ヘファス様。

「あいつ『そんなことはさせーん!!』って張り切ってしまって・・・」

 その後の流れは次のようだったらしい。

 主様が言うには工房ごと空間魔法と時空魔法をかけ合わせて周りの時間より長くしたらしい。

 本人的には、前々から考えてはいたらしい。

 それと、ある名前にしたかったらしいが、版権とか心配だとかいろいろと言っていた。

 ちなみにその空間魔法と時空魔法をかけ合わせたものを時空間魔法という風に主様は言ったらしい。

 その中の一つ、クイックルームを今回使ったらしい。ちなみにその時間差は、

「こっちの時間で1時間が2日間になるのか・・・」

「ちなみにもっと長くしようと思えばできるらしいですよ。で、俺も含め巻き込まれたうちの連中はハルオミに付き合わされて4日間ぶっ続けで作業してました」

「本当にどっちが化け物かわからなくなるよ、旦那様といると・・」

 ・・・本当ですよ。そして、どんどん引き離される感じがします。

「タウお姉ちゃんどうしたの?」

 おっと不安な顔してました。シル様に心配かけてしまうなんて気をつけないと。

「大丈夫ですよ」

「良かったー!」

 本当に天使みたいな笑顔ですね。

「・・・ちなみに渡す分は俺が持ってるんで」

「え!魔剣誰かの分まで作ったんですか」

「・・・何本作ったのじゃ、ご主人様は・・・」

「・・・五本」

「「「「は???!!!!!」」」」

「まあ、見せればわかるらしいぜ」

 そして、ヘファスが魔剣を出そうとしたその瞬間。


「ほー面白いなあのガキ」

「・・・お父さん、私の未来の旦那様に失礼」


 その二人は突然現れた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る