第69話
「しまったあああ!」
ああ、ただでさえ知り合いにメイド服を着ているところを見られたのだけでもギルド長としてのプライド丸潰れなのにも関わらず、さらに羞恥になる発言を。
『あのプライドの高いユリアが三回回ってワン・・・』
「く・・・他の奴に言うんじゃないぞ!!」
『ふはは、あの頃のメンバーがいたら大笑いだろうな!』
「あの頃のメンバー?」
『うむ、こやつも元からこんなに強いわけではない。こやつが冒険者として活動していた時にパーティーを組んでいた奴らがいる。なあ、ジーク』
そう声をかけられたジーク様は懐かしそうに話し始める。
「ふふ、そうですな。シルフィード様もセリアではないですが、よくご一緒させていただきました」
「ほう、他にはどんな奴がいたのじゃ?」
少し興味を持ったハク様がクリームまみれになっているシル様の顔を拭きながらこちらに話しかけてくる。
こうしていると本当に母娘という感じで微笑ましいですね。
「ふむ・・・ハク様ご存じないですか?お恥ずかしながら割と有名だと思っていたのですが・・・モンスター内ではあまり有名ではないのでしょうか」
「んー私はあまり人間たちに興味はなかったからのお」
「まあ、なかなか厄介な奴が多かったですね」
「・・・竜殺し持ちは?」
「いますよ。中には戦闘バカもいます」
「会いたくないのお・・・」
・・・竜殺しということはかなり強力なドラゴンを倒さないとつきません。そんな化け物に会いたくはないですね。
「こんなこと話していると出てきそうで怖いですよね」
アストレア様、怖ろしいこと言わないでください。
主様から聞きましたが、そういうのふらぐ?というらしいじゃないですか。
そんなことを思っていると、ユリア様が立ち上がる。って、あ。
「なんにしてもあやつらにはばれとうない。どうにかして、あいつらに再会する前に!」
「ほーできんの」
「当たり前じゃ!あんな変態ご主人様いつか出し抜いてやるのじゃ!」
「具体的には?」
「ふふ、スキを見て噛んでもいい状況を作るのじゃ!」
「あの、ユリア様?」
「なんじゃ!牛娘!わしの作戦じゃうまくいかないと?!」
いえ、そういうわけではなくてですね。
「ご主人様は女子供に甘いのじゃ!ワシのぷりてぃできゅーとな姿で鬼畜ロリコンに思い知らせてやるのじゃ!」
「それは俺がロリコンだと?」
「なにを当たり前な・・・へ?」
高らかに宣言するユリア様の後ろには
「ユリア覚悟はいいな?」
「ひいいいいいいいいいい!!!!!」
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