第21話「放課後の戦争」
「ちひろ、先週のニュース見た?」
そういった神奈に、ちひろはいう。
「ええ、見たわよ。確か『ニューワールド』といったかしら」
「ニューワールド、新世界ね……」
「クローンのための新世界、っていうけど無関係な人まで巻き込まないでよ」
そんな頌子に神奈は返す。
「それは本人にいっても多分止まらないと思うわ」
「そうかしら?いずれにしてもあいつらがここに来るなら」
「魔法少女が狙いって話だけど、ちひろのいうように本当にここかしら?」
「そんなことは分からないわよ。確証があるわけじゃない」
頌子にそう返したちひろを見やり、神奈はいった。
「もし来るとすれば私はやるべきことをやるだけよ」
「やるべきこと、ね。私は良く分からないけど、ここには忍も居るから!」
「そんなこといってたら理香子にどやされるわよ」
冷静なちひろに、神奈はいう。
「そこは重要じゃないわ。問題なのは……」
「いつあいつらが来るか、ね」
そしてその日の放課後。
「今日は来ないのかしら」
「ひょっとしたら日本に来ないのかもしれないわね」
そんな頌子とちひろに神奈はいう。
「それは無いと思うわ。いや、ないと断言してもいいわね」
「ここが魔法研究の最先端だから?」
「まあ、ちひろのいう通りね」
すると、空に三人組が現れた。
「私はアルファール」
「俺はデルタジア」
「そしてこのオメガリア」
そんなアルファールに神奈は疑問を投げかける。
「どうして放課後に、戦うの?」
「それは私の敬意だ。君たちが戦士だからな」
「罠だという可能性は無いの?」
「罠だと思うなら攻撃すればいい」
「そこまでいうなら私はあなたを信じるわ」
するとアルファールはいう。
「例をいうぞ、始源の魔法少女よ。お前たちは仲間の力を借りるがいい」
「私達は三人でマジカルガイストを起動させる」
そういってアルファール達はマジカルガイストを起動させる。
それは木をコピーした。
「あれがマジカルガイストなのね!いくわよ」」
「ぶっつけ本番でできる物なの?」
そんな頌子にちひろはいう。
「想像すればできないことはないわ。神奈に続くわよ!」
そして三人は右手を横に突き出し、一斉にこう叫ぶ。
「マジカルゲート、オープン!」
すると小さいピンクの魔法陣が右手から現れ、そこから杖が取り出される。
杖の先には魔法陣があった。
周囲の花粉を材料として杖を形成したのだ。
杖は想像しやすくするためのツールであるため、魔力の無駄ではない。
そして彼女たちは杖を正面に構えるとこう叫ぶ。
「マジカルゲート、コネクション!」
すると彼女たちが光に包まれ、衣服が魔法少女のそれへと変化する。
制服を素材として衣装が形成されているのだ。
ちなみにネオナチスと戦っている忍達中保台学園の生徒の制服は、
魔法で形成しやすいように魔力が込められている。
しかし衣服に魔力を込める技術はクローン大戦当時は存在しないため、
魔法で形成するのも一苦労だ。
それだけでなく飛行のための反重力にも魔力をかなり消費するため、
当時の彼女たちは間違いなく劣勢であった。
だからといって彼女たちはあきらめなかった。
何故なら、彼女達はマジックロッドが無くても魔法少女だからだ。
「みんな、飛ぶわよ!」
彼女たちはマジカルガイストを殴る蹴るといった近接攻撃で対処した。
マジックロッドのない彼女たちはあまり魔力を使えないため、
格闘戦で相手を消耗させるのが当時は大切なことだったからだ。
「まずは、ウインドスラッシャー!」
頌子が風圧の刃を発生させ、マジカルガイストを切る。
しかしマジカルガイストはあまり傷つかなかった。
「木だから風には強いのね」
「なら、私が!メイザードファイアー!」
神奈が炎を発生させ、マジカルガイストを焼く。
するとマジカルガイストは簡単に燃えていった。
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