塵も積もれば山となる。それは良い事だけじゃなく悪い事にも当て嵌まる。保育園落ちた。

「保育園落ちた」という言葉をタイトルに含み、保育を必要としている方が中々、行政による保育というサービスを受ける事が出来ない現実を嘆いた記事が話題になっている。


記事を読む限り、内容に関しては賛同が出来るところも少なくはない。

しかし記事のタイトルや本文に一部、不適切と思われる表現が含まれている様に私は思うのです。


そして私はその様に不適切な表現が含まれたものを過剰に評価する事に大きな疑問を感じたりもしています。


果たして本当に、主張に説得力があれば、不適切な表現であっても正当化されてしまってよいのでしょうか。


私はそうは思いません。

寧ろ私は不適切な表現が含まれていた事を非常に残念に思います。

そして不適切な表現が含まれている以上、余り評価はすべきでないものと考えます。


「塵も積もれば山となる」


この諺は小さな事も積み重なれば大きな成果に繋がる。

という様な、良い意味で使われる事が多いかと思います。

しかし私は悪い事でも当て嵌まる様に思うのです。


インターネットが社会に普及して、匿名だから、ネットだからという事に甘えて、不適切な表現を容認してきてしまった。

今や、あの様な表現を不適切と指摘する私の方が、おかしいと言われてしまうのかもしれません。


しかし、よく考えてみて下さい。

あの様な表現を正当化してしまったら、それを見て子供達は真似をするでしょう。

それは時にいじめを助長する事にもなります。


そして、いじめという問題の中で多くの子供達の人間性が歪められていく。

いじめによって人間性が歪められる事は加害者と被害者との双方で起きていきます。

その様な子供達が成長して大人になり、それによって社会がどんどん歪められていく。


結局、その様な事の積み重ねが現状の社会における保育を含めた様々な問題に繋がっているのではないでしょうか。


勿論、不適切な表現をしてしまう事も、それが要因になっているのかもしれませんし、それを過剰に評価してしまう事も同様なのかもしれません。


だからこそ、今此処で考え直すべき時が来ているのではないか。

そんな風に私は思うのです。


でも、それは決して、今、当たり前の様に行われている不適切と思われる表現を規制すべきだとは言いません。

此処まで広まる前であれば、規制する事も選択肢として考える余地はあった様に思う。


しかし此処まで広まってしまうと、今度は規制する事で新たな歪みを生み出しかねない。

だから表現する事は規制しない方がいい様に思う。


あくまでも自制が出来る方が自制をしていく。

自制が出来るのに自制が出来ていない者を見て、それに乗っからない様にする。


「みんながやっているから、自分もやってもいいや」ではなく、「みんながやっていても、自分はこうすべき」だと。

その様にしていくといいのかもしれません。


そして、もう一点。


不適切な表現を過剰に評価しない様にする。

そして適切な表現をきちんと評価すべきではないかと思う。


確かにこの点は、別の視点で見ると、適切で尚且つ効果的に問題を指摘する表現がなされていないから、過剰に不適切な表現が取り沙汰される事態に陥ってしまっている点もある様に思う。


それでも、やはり、手段を過ったものを評価すべきではないと私は思う。

あくまでも適切な手段を用いて表現されたものだけを評価していくべきで、その様な者が現れる事を待つべきではないか。


過った手段を正当化する事は、モラルの破壊を招いている様に思う。

目立ちさえすれば、他人に迷惑がかかろうとも構わない。

自分の目的を達する為なら手段を選ばない。

その様な事が様々な事件になったりもする。


またそれを極端な話にすれば、テロリストがテロ行為を正当化する事となんら変わりが無い様にも思う。


だから、過程や手段を蔑ろにして、結果を求めるべきではない。

例え時間がかかろうとも、手間がかかろうとも、先ずは過程や手段の方を重視すべきなのではなかろうか。


此処まで個人個人が甘えを容認してきた事の積み重ねで、この様な状況を招く事になったのであろう。

それを一朝一夕に解決なんて、到底に出来る事ではない。

だから解決を急ぐべきではない。


今度は個人個人がきちんとモラルを守っていく。

それを積み重ねていく事によって、現在、社会が抱える様々な問題を改善へと向かわせる事も出来るのではなかろうか。

勿論、保育の問題も含めて、である。


転載元URL(2016.3.6)

http://next.spotlight-media.jp/article/255557678965837530

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