がらんどう

蛍光灯が眩しいから

なんだか涙が出てきた

がらんどうの八畳


国道沿いの汚い空気も

生きてりゃ勝手に慣れて

がらんどうの生活は楽しくもなけりゃ

さして苦しいものでもない


ただ食って寝るだけなら何も感じねぇ

便所の落書きはたまに笑えるけど

あの時こうしていれば、なんて後悔はしたくないけど

どうしても過ってしまうのはしょうがないよな


何も見つからなかったがらんどうの心

言葉を詰めればいつか埋まると思っていた

その言葉も結局空っぽだったんだな


今夜も独り暗い部屋の中

スマホの光が僕の小さな篝火

空っぽの言葉を空箱に投げ捨てる

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