はじめてのTRPG入門ガイド

雛咲望月

　まずは、TRPGというものについてご説明します。

　 TRPGとは、テーブルトーク・ロールプレイングゲームの略称です。直訳すると、テーブル(卓・テーブルで)トーク(話しながら)・ロール(役割を演じて)プレイングゲーム(遊ぶゲーム)となります。つまり、ここから見ても分かるとおり、テーブルを囲んで遊ぶゲームなのです。

　TRPGは紙と鉛筆、それからサイコロ(またはトランプなど)を使い、多彩な展開を楽しむことができます。

★ゲームマスター(GM)とプレイヤー(PL)

　TRPGでは、まず司会進行役のゲームマスター(GM)と、数人のプレイヤー(PL)によって進行していきます。例えば、GMはその時々の展開をPLに話し伝えると、そこからPLたちは考え、答えを導き出してGMに伝えます。すると、GMはそれを元にさらなる状況の変化を伝える…といった具合です。このままだと分かりにくいので、実際のプレイ風景を下記に表してみました。

　GM「君たちの前に、怪しい男が立ってるね」

　PL「話しかけてみるよ。『やあ、ごきげんよう。良い夜だね』」

　GM「男は不敵に笑うね。『全くだ。お前たちを殺すには良い夜だよ』」

　PL「やっぱり戦闘か…その前に、おもむろに煙玉を爆発させる!」

　GM「成功できるか、ダイス振ってみてくれる?」

　PL「(コロコロ)……やった!　成功だ!」

　GM「それじゃあ、逃げられたな。『うわっ、なんだ!?』と男は叫ぶ」

　PL「『残念だったね、おととい来な!!』そう言って、すたこらさっさと逃げてしまおう」

　このように、実際のプレイでは展開されていきます。途中でダイス(TRPGではサイコロをこう呼びます)を振っていますが、これにより成功・失敗をランダムで判定するのです。

★システムとシナリオ

　システム(ルールブック)とは、コンピューター・ゲームで例えるならば、いわゆるソフトになります。システムそれぞれに世界観があり、ルールがあり、情報があります。GMとPLは予めどのシステムで遊ぶかを決めて、様々なセッションを行うのです。 (TRPGでのプレイを、総じて「セッション」と呼びます) シナリオとは、GMが用意した、システムに則した物語のことです。この物語をPLたちが遊ぶ事によって、セッションが紡がれていきます。

★キャラクターをロールする

　TRPGの醍醐味として、PL自身が作ったキャラクター(PC)を、 PLがロール、つまり演じていくというものがあります。 PLはPCをロールすることにより、よりシナリオをドラマティックに演出することが出来るのです。ただし、ロールの比重に関してはシステムに依存しやすい所があります。

　以上が、簡単ですがTRPGの大まかな説明になります。ご理解頂けたでしょうか? それでは、いよいよTRPG入門に入って行きましょう。