第6話 月見会議6

女「男の家にはさ」

男「ああ」

女「はさみってある?」

男「そりゃああるだろ」

女「私の家にはない」フンッ

男「威張っていうことじゃねぇわ」

女「ただ世の中には家にはさみがある前提の買い物の商品ってあるじゃん?」

男「まぁ普通はあるからね?」

女「では普通でないと商品を買ってはいけないの?」

男「いやそうとまでは言わないけど」

女「納豆のタレ、カップラーメンの粉末、ダンボールの梱包」

女「これらははさみ無しには開封もままならない」

男「いや、素手でいけるだろ」

女「それは男がチンパンジー並みの握力と知能を持っているから」

男「それ褒めてんのか、貶めてるのかわからんよね」

女「私くらいか弱い女だとタレをうまく開けられるのは10回に4回・・・」

男「思ったより開けきれてないな」

男「じゃあやっぱはさみ買えよ」

女「いやだよ」

男「なんでだよ、便利じゃん」

女「そんな物買いに行って店員に殺人犯と思われたら嫌じゃない?」

男「思わねぇわ! そんなニッチな使い方誰もせんわ!」

女「だってあれも目を突いたりしたらダメージでかいでしょ?」

男「発想が怖いわ!」

女「とにかくそんなはさみありきの世のあり方に私は憂いてるの」

男「そんな世の憂い方初めて聞いたわ!」

女「世の中、もっと思いやりが必要よね」

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