第285話 ダークエルフの噂




ダークエルフは数十年に一度発生する台風のようなモノである。






エルフは人間よりも格段に魔力が多く、

すべての魔法はエルフに起源を持つと言われるほどに魔法に通じている。


それでも幼少期は魔法に目覚めず、青年期になってから

爆発的に魔力量が増え魔法が充実する。




特に魔力上昇の振れ幅が大きいエルフは、体が魔力に耐え切れず、肌が浅黒く変色する。



魔力差別の多い種族であるが故、

最底辺から魔力が増幅した場合のギャップはすさまじく、

実力以上に気が大きくなりやすい傾向にある。




俗っぽく言いなおすと





虐げられた実力者の俺!!





冷遇されたけれど、真の実力が!





エルフの里を見限って!





好き勝手生きる事にした!







というような勘違いをしてしまい、盛大にイキってしまう。

その過程の時期は『成長期』と呼ばれるが、


別称で『イキり期』とも呼ばれる。







$$$








【ダークエルフ警報】

魔法の書に注意喚起のメッセージが通達される。


ダークエルフ一名がエルフの里から逃走して

クラスティア王国に入ったらしいとの噂だ。






ダークエルフですか・・・






「うう、割と自分の黒歴史を蒸し返されるようで身につまされますね」


ウツロの説明を聞くミラの顔は青い。



(過去に何があったんだろ?)




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