第2章 4歳児、婚約する

プロローグ

「……分かりました。そこまで言うなら」


 正面から僕を優しく見つめる彼女に視線を合わせ、


「そのお話をお請けしましょう」

「主様、いいの?」


 僕の背後で事の成り行きを見ていたスンが、小声で呟く。


「うん。僕が彼女のために力になれるなら、いいんだ」


 それに前世では結婚どころか、彼女すらまともに出来なかった。

 こんな機会は、二度と来ないかもしれない。


 僕はゆっくりと彼女の向かい足を進める。


 そうだ。

 これでいいんだ。


 このために、僕は転生したのかもしれない。

 たとえ、僕が4歳児だったとしても、それは些細な問題だ。


 驚いたように僕を見つめる彼女の正面に達、その手を取り、皆に向かって、高らかに宣言した。


「僕は彼女と結婚をし、この生涯を賭けて彼女の事を守ります」


 その場は静寂に包まれた……

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