一週間だけ
提案
「こうちゃん。」
「...何?」
「一週間だけ、この家に帰って来てくれない?」
久しぶりに顔を合わせたこうちゃんは、私の突拍子もない提案に目を丸くした。
「...は?」
「一週間だけでいいの。...ダメかな?」
「だから...何で一週間?」
「それは...ちょっと...こうちゃんとしたい事があって。」
「...何それ、意味が分からないんだけど。」
そう言うと、こうちゃんはまた荷造りを再開させた。
私に背を向け、クローゼットから次々とスーツを取り出し、大きなキャリーケースに詰め込んでいく。
「こうちゃん、.....こんするから。」
「え?」
「...離婚するから、だから...一週間だけ私に付き合って?」
私の言葉に、こうちゃんは手を止めてゆっくりと振り返った。
「今....なんて言った?」
「....離婚する。」
「......。」
「だから、離婚する前に...最後に一週間だけ私と過ごしてくれませんか?」
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