ロンド

降りしきる雲に項垂うなだれて

雀の涙の道を這う

浪漫派風の大鋸屑おがくずの傍ら

みにくいアヒルの子は死んでいる

時計にはぐれた鋭い針は青白い胸にグサリと刺さり

心ばかりが天に向かって器用に伸びる

怯える獅子は嵐に巻かれ

ロンドの檻に宙ぶらりん

ろうの看守の鉄釜で

冷え切るミイラの声 かさを増して

余りにも高い明日の方へ

太陽のように放られている

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