メリー・ウィドウ
薄暗いライトは今の私によく似合う。
来店して一時間。一人で飲むお酒もたまにはいいと自分に言い聞かせてみる。あいつを真似して始めた煙草に火をつけるけど、むせてすぐに消した。やっぱり煙草は苦手。
ここには最近あまり来ていなかった。家から遠かったから。でも家の近くのバーには今は行きたくない。
カウンターではバーテンダーがカシャカシャカシャとシェーカーを振っている。いつもはよく話すけど、今日は私をそっとしておいてくれている。さすがバーデンダー。察しがいい。
しかし頼んでもいないのにカクテルが出された。私の前に置かれたのはメリー・ウィドウ。カクテル言葉は『もう一度素敵な恋を』。
あまり察しがいいのも考えものね。
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