秘密
許されない恋だと分かっていながら、今夜もどちらからとなく手を伸ばす。
互いの心に寄り添えば、もう後戻りなどできるはずもない。
でも抱きしめたものがかけがえの無いものだからといって、それを手放さずにいられるとは限らない。
そして家柄で人の幸福を計るこの時代に、二人の恋は難しすぎた。
二人の意思とはまったく関係ないところで、この恋は終わりに向かっている。
そうなることは分かっていた。
でも家柄を捨てて甘くはない熱い恋を続けられるほど、二人は子供ではなかった。
大人になって愛を知ったからこそ、選べない未来があることを知った。
今宵限りでこの恋を終わりにする。
でも今日は新月。
お願いだから、もう少しだけ私たちを隠して。
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