9月20日・23日・28日
昨日はお母さんが来てくれた。
台風が過ぎた後でよく晴れていたので、一緒にベランダに出て、ちゃんと芽が出た勿忘草のプランターを見せた。初めはぽつぽつだったけど、続々と増えてきて、少しずつ成長してきてる。ゆくゆくは、もう少し大きいプランターに植え替えた方がいいだろうか。
あんまり誰かに見せびらかすとかってしたくないんだけど、お母さんは種まきの時に手伝ってくれたから、トクベツ。
水やりも一緒にやった。
使い慣れないスマホをたどたどしくいじって、お母さんは嬉しそうにプランターの写真を撮っていた。それから、わたしの写真も。
ついでにベランダで、ちょっとお話。お互いの近況とか、家族のこととか、これからのこととか、いろいろ。
こういう親子の時間って、当たり前みたいだけど、実はとっても大切。……なぁんてことに、成長していろんな経験をして、それでやっと初めて気づくんだから、今更だなぁ。
お母さんは明日仕事が入っているらしく、夕方頃に帰った。本当は泊まりたかったんだけど……としょんぼりしてたから、また来てくれたら良いよって笑顔で言ってあげた。
窓際の植木鉢に、一人で水をやる。
誰かがそばにいるって本当に嬉しいし幸せなんだけど、その分一人になった時が寂しくて泣いてしまいそうになる。
それでもお布団に入ったら、無意識に疲れがあったみたいで、すぐ眠ってしまった。
◆◆◆
お母さんが、小さなカラーボックスと本をいくつか持ってきてくれた。
わたしが好きでずっと追いかけてた小説のシリーズが、昨日発売した最終巻でついに完結したんだって。わざわざ買ってきてくれた。お母さん、ありがとう。
手に取って、見慣れた表紙のイラストを指でなでて。思わず感動して、涙ぐんじゃった。ついにこれを読める日が来るなんて。
あんまり本を読まないわたしだけど、この作者さんだけは唯一好きでずっと読んでるんだよね。
何気ない日常が細かく描かれてて、たまにちょっとファンタジックで、お腹抱えて笑っちゃうギャグシーンもあって、だけど最後はホロリとさせられる。何回も読み直したいくらい、大好きで大切な作品。
せっかくだし一巻から読み返したいって言ったら、今度来る時に持ってきてくれるって。嬉しいな。もう一回、お母さんありがとう。
それまでに、最終巻読まなくちゃ。前巻がかなりいいところで終わってるから、どうなるかすごく気になってたんだよね。
でもわたし、本を読むのが遅いから、ちょっとずつかみしめて読むんだ。あんまり一気読みするとしんどいし。
よし、楽しみが増えた。どきどきしちゃう。
◆◆◆
思ったより早く読み終わっちゃった。
やっぱり最後まで、キレイなお話だったな。ページめくる手が止まらなくて、自分でも怖くなっちゃったよ。
あぁ、スッキリ。みんな、幸せになれてよかったな。
十月になったらまたお母さんが来てくれるっていうから、一巻から読み直してみようっと。一回読んだだけじゃ気づかなかったことも、あるかもしれないし。
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