9/30 『足の小指曲げ』

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 斂侍電志れんじでんし:青みがかった黒の長髪に眼鏡の少年。鋭い目つきでよく怖がられる。超論理思考。


 倉朋愛佳くらともあいか:背中まで伸びた茶の髪に垂れ眉と切れ長の目を持つ少女。一人称はボク。感情の赴くままに生きる。


〈DDCF〉:宇宙戦闘機設計部でその名の通り設計士が集まる部署。室内は広大で、棚と机が雑多に並ぶ研究所風の空間。壁や天井は木目調で、床は靴音を吸収するカーペットが敷き詰められている。部屋の一角、宇宙がよく見える大窓の傍に電志と愛佳の机がある。


☆★☆★


〈DDCF〉は今日も平常運転。

 愛佳が作業の手を止めて話し出した。

「さあ電志、そろそろボクたちのトークショーの時間だ」

 それを受け電志も作業を中断し、応じる。

「ああもうそんな時間か」


「今日の執筆状況は、カクヨムの最新話はまだ止まっているね」

「明日が休みだから、明日にはアップできるんじゃないか?」

「そうだろうね。エピローグとあとがきになる予定だそうだよ」

「カクヨム版の方が先行しているから、なろう版を読んでいて先が気になる人はカクヨム版を覗いてみると良いかもしれないな」


「電志、今日ボクはレベルアップしたよ」

「ほう、何がレベルアップしたんだ」

「足の小指曲げ」

「くだらないだろうとは思っていたが、実にくだらないな」

「でもあなどれないよ。決してあなどれない。何せ足で物が拾えるようになったんだから。これでいちいち物を落としてもかがまなくて済む」

「横着するな」

「スカートの時かがむと見られちゃうかもしれないじゃあないか」

「足で物を拾っている姿を見られる方が厳しいと思うんだ」

「ムムム、対外的にはマズイね。どうすれば良い?」

「スカートを気を付けつつしゃがめば良いんじゃないか?」

「そこで髪を耳にかける仕草をするのが良いんでしょ?」

「『でしょ?』って、俺は妄想シチュを披露していたわけじゃないんだが」

「でも電志はそういうのに弱そうだよ」

「そういうのは綺麗なお姉さんになってからやってくれ。今日はこの辺で締めるか」

「そうだね、また明日!」

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