9/28 『呪いの割り箸』

☆★☆★


 斂侍電志れんじでんし:青みがかった黒の長髪に眼鏡の少年。鋭い目つきでよく怖がられる。超論理思考。


 倉朋愛佳くらともあいか:背中まで伸びた茶の髪に垂れ眉と切れ長の目を持つ少女。一人称はボク。感情の赴くままに生きる。


〈DDCF〉:宇宙戦闘機設計部でその名の通り設計士が集まる部署。室内は広大で、棚と机が雑多に並ぶ研究所風の空間。壁や天井は木目調で、床は靴音を吸収するカーペットが敷き詰められている。部屋の一角、宇宙がよく見える大窓の傍に電志と愛佳の机がある。


☆★☆★


〈DDCF〉は今日も平常運転。

 愛佳が作業の手を止めて話し出した。

「さあ電志、そろそろボクたちのトークショーの時間だ」

 それを受け電志も作業を中断し、応じる。

「ああもうそんな時間か」


「今日の執筆状況は、カクヨムの最新話は相変わらずだったみたいだね」

「忙しいのはもうしょうがないな」

「うん。なろう版の方はブックマークが微増だね」

「まだ注目してくれる人が増えているんだな、良かった」


「電志、地球には割り箸というのがあるらしいよ」

「割り箸?」

「うん。【アイギス】は消費する文化が無いからリサイクルできる箸しか使わないけど」

「消費する箸? 一度使ったら壊れてしまうのか? それはいったい……何を割るための箸なんだ?」

「友達との仲を割るのさ」

「呪いのアイテムかよ。地球じゃそんな呪術的なものが流行っているのか」

「まさに大流行だね。食事処へ行けば殆どの店が置いている」

「飯食いに行く所に呪いのアイテムが置いてあるのか。そんな手軽に手に入るものなの?」

「ご飯を食べるのと同じくらいの感覚……ということだね」

「地球にはそんなに仲間割れさせたい人がいるのか」

「それはもう……割り箸を持っている者がいたら、周囲に緊張が走る。『こ、こいつ……割り箸持ってやがる……!』ってね」

「恐ろしいアイテムだな……ところで、全部嘘だろ?」

「嘘だと思うから嘘になってしまう。信じればそれは真実になる」

「思わなくてもたぶん嘘だろ。今日はこの辺で閉めるか」

「そうだね、また明日!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る