第9話マハーヴァラーハ

猪を素手で捕まえたヘラクレス


強靭な脚力と腕力


怪物はパンチにのけぞり気を失う


ヘラクレスよ! 蠍座で勝利せし、偉大なる戦士よ。


ヒュドラを、殺害せしものよ!


私が社会という卑猥な構築物に勝利したのは、今から6年前だった。


あの時、私は十字架にかかり、そして降りた。


私は十字架にかけられるものにしてかけるものであった。


今、ふと自分で気づいたのだが、私は、もう構築物が私の愛をせき止めることはできない。と気づきだした。



君だけが、君を救える。


君の気づきだけが。


気づきは王に王国を捨てさせることすらできる。


どうでもいい成功を手にして、腑抜けになったやつら。


情熱を失いし彼らは救済を来世に引き伸ばす。


私は、愛ってのがステータスや地位や名誉に阻まれないということを実践したかったのだ。


軽くなった体で、より執着から解き放たれて、私はあらわな姿で立つ。


そして言う。


私は存在する唯一なるもの、すべては私であり、私から来る。と。

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