それでも地球は廻ります。
彗星の如く現れた吟遊詩人
序章
鳥の美しい歌声と共に太陽は、
ビルに
そんな
朝早く街の散策をする事を二年ほど前に日課としてから、毎日の様にこの光景を見てきた。
これまで何度もこの通りは歩いていたのに、その狭さのためか今まで存在すら知らなかった。
路地の入口には
僕はよしと一つ手を叩くとその不思議な路地を今日の散策地に決定した。
今思うとその時の僕は何か特別な力に動かされていたのかもしれない。
誰も居なくなり、無法地帯となった都市の暗い道を進むことに、それなりのリスクがある事は分かっていたが、それでも何かに導かれるように、前へ前へと突き進む。
しかし何処まで歩いてもその隙間は暗いままで、先が見えなかった。
長い時間歩いて冷静になってきた頭で、自分がしている事を考えると意味が無く馬鹿馬鹿しく思えてきた。
そろそろ引き返そうかと思った矢先、突然路地が終わり眩しい光に包まれる。
腕を上に
ビルとビルの間にぽっかりと空いたその場所には、今まで見たことも無い様な大きな樹が立っていたのだ。
枝や幹には多くの生き物を
定理は良く分からないが恐らくこのような大樹の事を〝世界樹〟と呼ぶのだろう
地面を見てみると、生き物のように這っている太い根の隙間から小さな建物がちらっと見えた。
どうやら樹はそこから生えているらしい。
もっと良く見てみようと
一人の少女を。
少女は
急いで少女のもとへ向かい、
どうやら死んでいる訳では無いらしいが、かなり
早く手当をしないといけないと、
そして何かを掴むように手を上へ伸ばして唇を動かすが、すぐに力尽きまた意識を失う。
どうやらそこまで
僕は少女を優しく
これが僕と彼女との出会いだった。
すべてが破壊され、何もかもを失ったこの地でも、
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