第198話「自転車事故」

カバンをかけて飛び出した、僕は……


キーッ!ガシャン


自転車に跳ねられた。

親父と婆ちゃんが、飛び出して来る。


「シゲがちゃんと見てないから!」


5歳の時。

家から飛び出した時に、自転車に跳ねられた。

(爺ちゃん婆ちゃんの家に住だして、しばらくしてからの事だから年長の時だろう)

親父が、自転車を漕いでた会社員に文句言っていた。婆ちゃんが止めていた。


「朝からケンカしないの!」


「坂道を飛ばしてくるから行けないんだよ」


その時の僕は、膝をすりむいただけで終わった。

そうそう、家から飛び出しての自転車事故は、あと一回あった。これは4歳ぐらいだったと思う。その時は、そば屋とぶつかった!


「弁償して下さい!」


と、そば屋が言ったから……


「何言ってんだよ!自転車の方が悪いんだろ?子ども跳ねてんだから警察行くか?」


親父は、そば屋の兄ちゃんに言っていた。そば屋は渋々帰って行った。あとから、そば屋の店主が謝りに来た。いつも頼んでる所だった。バイトの態度をわびていた。


結局、こちらも申し訳ないという事で、誰が払ったか忘れたが、代金の半分を払ったと思う記憶している。


自転車で転ぶ自損では、5年生が一番痛かった!カズの自転車を借りて転んだのを覚えている。そうそれは、今にして思えば、目茶苦茶危ないチャリンコレースでだ!


僕の地元は、細い路地が多い地域で、その時は公園を中心に一周グルッと路地を飛ばしていた。曲がり角で、自転車を傾けた時の事だった。漕いでたペダルが何かに引っ掛かった!その瞬間、激しく転倒した。顔面の左を思い切りアスファルトで削った。血まみれで公園に帰ってくると……


「うち、すぐそこだから!」


と、近所のミサちゃん家で、消毒して絆創膏を貼ってもらった。ミサちゃんに消毒してもらう間。みんな羨ましそうだった!その視線がかなり痛かったが、ちょっと嬉しかったのを記憶している。


おしまい

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