第66話「雨とワンピース」
僕の小学時代の話しだ。
梅雨の時期。雨に濡れるのに、わりかし可愛いスカートを、女の子達は履いていたように思う。
雨が上がった曇り空。
「ねえねえ、何してるの?」
僕が公園で遊んでいると、自転車に乗ったミーが通りかかった。
「銀玉鉄砲」
「私もする!」
ガチャン!
と、ミーはスタンドを降ろして自転車を停めた。梅雨の時期の公園は、あちこちに水たまりが出来ていた。僕はブランコの手すりに、小石を並べてそれを的に撃っていた。
「こうかな?」
ミーは僕の銀玉鉄砲で小石を狙った。またパラパラと雨が降ってきた。これぐらいの雨ならと、僕らは遊んだ。
夢中になって遊んでいると、ふと側にいたミーのスカートに目がいった。ミーは白のワンピースを着ていた。
雨の時期。泥はねを考えたら、白のワンピースなんてと思うが、梅雨の時期だからこそ、華やかな色や服にしていたのかもしれないと、今にして思う。
そうそう、なぜ目がいったかというと……ワンピースが透けていたからだ!
霧雨で、しっとりと濡れたワンピース。夢中で銀玉鉄砲を撃ってるミーは気づいているのだろうか?見ていると、なんかこっちが恥ずかしい気持ちになった。
「ねえねえ、当たった!!」
と、ミーがこっちを見て喜んでいる。透けたスカートからは、パンツのリボンが見えていた。我慢できず……
「ねえねえ、透けてるよ」
と、僕が言うと……
「えへへへ」
と、言ってワンピースの裾を引っぱった。透けてたパンツは見えなくなったが……胸も透けていたのだった!さすがにそれはミーに言えず、ドキドキしながら銀玉鉄砲を撃つと……
「ミズキ、全然当たってないよ!」
と、言われたのだった。
そりゃ、気になって当たらないよ!!
小学校5年の時の記憶だ。
おしまい
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