019「妖精さん、絶対絶命の大ピンチ」

『妖精さん!リーダーを仕留めると、戦いやすいですぞ!』

『集団の頭を狙うんだお!』


全く躊躇なく、シルバーは銃口をペロペロ族長に向け、連続で銃弾をプレゼントした。

乾いた爆発音が響き、銃弾は盾代わりに使われている死体に突き刺さる。

ペロペロ族長が、不敵に笑う。


「ブヒヒヒヒッ!

その魔法は、肉体を貫通する威力はないみたいブヒィー!」


『ひでぇぇぇぇ!!仲間の死体を盾にするとか、やっぱりひでぇぇぇ!』

『それが長のやる事かよぉぉぉ!!』


「仲間を盾にするなよ!

それが指導者のやる事か!」


この時、ネットの皆と、シルバーは同じ意見を共有していた。

だが、批判されたペロペロ族長は開き直る。


「ぶひひひっ!

その鉄の棒で、遠距離攻撃ができるのは、報告で知っているブヒィ!

同胞を盾にすれば、爆発する魔法もきっと防げるブヒィ!」


「もっとマシなものを盾にしろよ!」


「同胞は、俺が生きてさえいれば、幾らでも量産できるブヒィ!

俺あってこそのペロペロ会ブヒィィィィィ!!

絶世の美少女をペロペロして、お嫁さんにするためならば……何匹犠牲になっても良いブヒィィィ!きっと同胞達も理解してくれるはずブヒィィィ!」


「「こ、怖いブヒィィィィ!族長ってこんな奴だったブヒィ!?キャラ崩壊しているブヒィー!」」周りにいた豚人間が恐怖した。


『こいつwww自分の発言で、仲間の戦意を挫いているぞwww』

『自分で自爆しとるやんけwwwww』

『本音だけで生活するのは無理だお……』

『ブラック企業ならぬ、ブタック企業だったのだ』


「く、どうすればっ……」


『妖精さん、シリアスでござる』

『俺らには馬鹿っぽい光景に見えるんだけどな』

『ペロペロ族長のせいで、豚どもが、烏合の衆状態になっとるやんけ』


肉の盾のせいで、銃が通用しない。

ここは一旦、撤退した方が良さ気だ。

そう判断したシルバーは、後ろに身体を方向転換。カモシカのごとく走って逃げる。


「妖精娘が逃げたブヒィー!」

「全軍前進ブヒィー!

盾があるから魔法は怖くないブヒィー!」


シルバーの後ろから、興奮する豚が迫ってくる音がした。

そして、ネットの皆からの忠告で、すぐに気づかされた。

昔からの軍事的な難問――重装備の歩兵は、速度が犠牲になる。


『あれ……?』

『豚が豚を持っているせいで足が遅いぞ……」

『仲間を盾にする命令を下す時点で、士気崩壊して足もノロくなるわな』


シルバーは逃げるのをやめて、後方を振り返る。

豚人間達の足は確かに遅かった。

重量のある死体を抱えながらの移動は、まるでカタツムリ観光客。

防御を優先しすぎて、移動と攻撃が疎かになっている。


「盾のせいで……機動力が犠牲になってる……?」


『今がチャンス★』

『豚が隙を曝け出していますぞ!』


しかし、この幸運な状況は長く続かないだろう。

頭の良い豚人間の事だ。一定距離まで近づいたら、死体を放り投げて走り寄ってきそうだ。

その前に手を打たないといけない。


『妖精さん、大量の手榴弾を投げるのです。

盾があっても、複数方向からの爆発に対処できる訳がないのです』


「よし、その案いただきぃー!」


今こそ、戦の決着を決める天王山、そう思い込んだシルバーはネット通販で、破片手榴弾を6個購入。

躊躇なく安全ピンを抜いて、次々と投げて投げまくった。

豚人間は慌てて、死体を盾にして防御姿勢を取る。


「「同胞バリアーぶひぃっ!」」


『妖精さん!伏せろぉー!』

『そんなに爆弾投げる馬鹿がいるかぁー!』

『使用者すら巻き込む運用してどうするっー!』


(戦闘って難しい……家に帰りたい!)


失策に気づいたシルバーは、唯一取れる対処法――地面に伏せるを実行した。

手榴弾は、次々と爆発を引き起こす。

爆風で手榴弾がそれぞれの方向に弾き飛び、そこでまた爆発。

それが合計6回。

さまざまな方向から、爆風と破片による襲撃を受けた豚人間達は、容易く致命傷を負って動かなくなった。

いや、1匹だけ生き残っている。

2mの巨漢。ペロペロを極めた猛者にしてハーレム王な、ペロペロ族長が軽傷を負い、悲痛な叫びをあげていた。


「た、盾がなくなったブヒィィィィ!恐ろしいブヒィィィ!

でも、お嬢ちゃんを捕まえれば、きっと凄い子供が産まれて、大帝国を建設する事も夢じゃないブヒィィィっー!

盛り上がってきたブヒィィィィィ!」


『ちょwwww皮膚の防御力すごすぎwwww』

『至近距離で炸裂して軽傷とかwwwww』

『やべぇぇぇぇ!サブマシンガンを至近距離で浴びたのと、同じ効果があるはずなのに死んでないとかやべぇぇぇぇぇ!!』


まだまだ戦意は衰えない。

盾をなくしたおかげで、ペロペロ族長の機動力は回復してしまった。

欲情し、興奮する豚が、シルバー目掛けて、突撃してくる。

両者との間にあるのは、僅かな距離。

でも、シルバーが立ち上がって、銃弾を豚にプレゼントするくらいの余裕はある距離だ。

シルバーは、グロック17の銃口を、ペロペロ族長の頭に向ける。

正確に、狙いを外さないように、照準を定め、引き金を引いた。


「お前みたいなエロ豚は、この世から出ていけぇー!……あれぇ?」


銃弾が銃口から飛び出ない。

どうやら拳銃は故障したようだ。


『妖精さん、空薬莢の排出に失敗しておりますぞ!』

『手動で空薬莢を排出せんと、次の弾丸が装填されないから撃てんぞい?』

『安さには裏がある!』

『中古を購入した結果がこれだよ』


自動拳銃が故障した。専門用語でジャムった。

銃は使えば使うほど、劣化して薬莢排出に失敗する確率が高くなる。

中古の拳銃ゆえに整備などされてない上に、短期間で銃を撃ちすぎたせいで、壊れてしまったようだ。


『ゲームオーバー!』

『妖精さんの人生はどうして終了したん?』

『童貞だからさ……』


シルバーのすぐ目の前に、巨漢の豚が右拳を振りかざして殴ってきた。

それを拳銃の銃身で受けて防御し、シルバーは後方にジャンプして、僅かな距離を取る。

ペロペロ族長は間合いをゆっくり詰めながら、語りかけてくる。


「ブヒヒヒッ!魔力切れブヒィ?

お嬢ちゃんもたくさんペロペロしてあげるブヒィー!

俺の子供を孕んででもらうぶひぃー!」


「ひ、ひぃっ……!」


『このままじゃ、アッー!』

『妖精さんがアッー!になっちゃう!』

『魔法の薬で、妖精さんがショタから、ロリになっちゃう!』


「スーパーウルトラペロペロタイムの始まりブヒィー!」


ペロペロ族長は、恐怖して震える妖精さんに飛びかかった。


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拳銃弾×50 1000円

破片手榴弾×6  600円


消費1600円


残金1万2100円 ⇒1万500円


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作者(´・ω・`)なお、殺せば殺すほどレベルが上がって、防御力があがる世界な模様


妖精さん(´・ω・`)難易度ばっかり上げてどうするっ……!?


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(´・ω・`)主人公が今まで購入したアイテムは、こっちに全部纏めた。

http://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Neltuto_tuuhan/Aitemu.html 【小説家になろう】 「俺は砂糖を肥料にして、食虫植物植えて農業チートする!」異世界征服

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