第161話:合技
王最強の盾の牟田が使う能力は透明化、入道は破壊となっている。かつての鳳凰は再生能力、昴流は変身能力だった。4名とも能力に於いてはどれも被ることはなかったが、いずれにしても4名とも紛れもないSランクの実力を持つ。
「だがしかし、王直属の戦士十戒の中にも一人いい線云ってるやつがいてな。夜叉は別物だな。殺した相手の能力が使える。奴の強さは未知数、相手次第ではどんどん強くなり、いずれ奴はSSランクにもなりうるだろう」
入道が立ち上がった。
「俺と互角にやりあったのは唯一千葉王国の怒成ぐらいだ。奴の破天流と俺の能力はかなり似ていたからな。だが奴は武力、俺は魔力。その違いは今から魅せてやろう」
掌を当て、そして放つ。まるでビームのようだ。
一瞬にして触れしもの粉々に打ち砕いていく。
飛ばすことも出来れば、全身を覆い、触れなくさせることもできる。
「こっちにこい牟田」
「わかっとるわい」
牟田が既に入道の背後に回っていた。
「今から我々の合技を魅せてやろう」
牟田と入道が姿を消した。
「あいつの能力、触れた対象者も一緒に消すことができるのかよ」
「つまり奴は狙っている。見えないところから一瞬でやれる破壊の攻撃を」
「どうする金成?」
「水天、あんたの能力今こそ使うべきだ」
「わかっている!」
インフルエンサーを使い、味方全員に金成の究極両目を移植する。だが不慣れな連中にはすぐには使いこなせるものでもないのは承知の上だ。
「攻撃発動が瞬時に分かったらすぐに撤退させなければならないというわけか」
「明治、あんたは守りに徹底してくれ。あんたの斥力ならあの攻撃もはじき返せるだろう」
「任せろ」
「あとは奴らを捕らえるだけだ」
「どうやってやる?」
「まあ考えはある。先程のブロックチェーンも目に見えないものであったとしても、奴らあちら側の世界の人間には見えないものも見えているということ。つまり、視界をまず無くす必要があるということだ。視覚に訴えるのではなく、聴覚に訴える。それでいく」
スキルマスター発動:ナイトメア
黒い靄が現れる。
「いいか水天、一瞬で奴と入れ替わる。その奴の技を瞬時に俺に移植してくれ。それで奴を一撃で仕留める。たぶん相手も頭は大丈夫だ、そのまま入れ替わったら、インフルエンサーで飛ばしてくれ」
「了解だ」
金成はタイミングをうかがっていた。奴と入れ替わるタイミングを。
見えないものほど恐ろしい。だがしかし、今の状態は暗闇の山道をライトもつけずに走行している車となんら変わらぬ危険性を帯びていた。
「あと3m」
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