第572話 数珠つなぎのバカ

 世の中というものは不条理で構成されている。

 転売されて高騰したプラモデルを買うために、僕も転売している。

 この悪循環…。

 欲しいものを買うために、この不条理の鎖のひとつになっているのだ。

「案外、転売ヤーって、僕みたいなヤツ多いのかも?」

 だとしたら、転売ヤー同士が価格を釣り上げて、自らの首を絞めているような気もする。

 自分が興味のないものを買い占め、定価以上の値で売り、得た利益で高騰した商品を買う。

 思えば、僕は小学校の頃から、そんなことをして小遣いを増やしていた。

 もう50歳も目の前で、僕はなんの成長もしていないのか…。

 自己嫌悪である。

 バカの数珠繋ぎは抜け出せないのかもしれない。

 そう思うと、自分にイラッとします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る