第528話 暗闇の大みそか
バイトを終えて家に帰って、風呂に湯を張り、暖房を入れた…
バツンッ‼
ブレーカーが落ちた。
上げ直しても復旧せず、理由は解っている。
父親のガラクタ置き場で電力を喰い過ぎているのだ。
父親は入院したまま…のはず。
普段から同じ家に暮らしつつ、会話どころか会うことすらないから知らないのだ。
入院も従妹からのラインで知ったほどに、僕は父母と接点が無い。
あの夫婦が暮らしている部屋が5部屋、僕が使用している部屋3部屋、風呂・トイレ別で生活している。
僕は、父母の部屋に立ち入らないし、なんなら建ててから1度も入ってない部屋もある。
他人が聞けば?となるような家族なのだ。
出て行けと言っても出ていかないし正直、迷惑しているのだ。
で…父親の部屋で無駄に稼働している電気機器を解る範囲で引っこ抜いた。
ガラクタだらけで足の踏み場もない20畳ほどのスペースにタコ足で色々なものが接続されている。
空の冷蔵庫とか…100万もする複合機とか…あの夫婦の生活臭を感じるとイラつく…全て壊して殺したくなる。
きっと心の底から軽蔑し嫌悪している。
が…ブレーカーが戻らない。
完全に逝ったようだ。
そんなわけで2020年12月31日17:30~2021年1月1日9:00まで僕は布団から出なかった。
食事も摂らない、飲み物も飲まない、トイレが使えないから…。
風呂も入れない。
TVも観れない、ネットも繋がらない。
大寒波なんだよ‼
今年は、そんな年越しでした。
あの夫婦が使っている部屋はブレーカーが別なので関係ない。
ホント腹が立つというか…なんで生きてるんだろう?
子供の頃から疑問でしょうがない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます