第372話 民度

 ホテルという場所は公共の場である。

 レンタルルームと言った方が伝わるのだろうか?


 不思議に思うことがある。

 1人で泊まる場合、部屋はあまり汚れていない。

 ゴミもゴミ箱に入れている。


 複数人になると、ゴミ箱は意味をなさない。

 散らかしほうだいである。

 男女の区別はない。


 家族連れになると、さらに常識が通用しない。

 もう散らかしほうだい、汚しほうだい、無法地帯である。


 つまり、一人ではおとなしいが、仲間がいると気が大きくなり、家族だと常識が無くなるということだ。


 部屋を見ると思う。

 こんな家族が子供を育てるのだから世にバカが増えてもしょうがないと…。


 とはいえ、こんなバイトでもしなきゃ自分もそうだったかもしれない。


 親切なつもりが清掃員には仇となる事も多いし…。

 布団畳むとか浴衣の帯とか、延長コードとか、そのホテルのルールがあるのだ、マイルールで片づけられると3倍増しで仕事が増える。

 散らかしたままのほうがマシということもある。


 正解なんてないのだ。

 もしあるとすれば、何も触らない、全てのモノは飾りであると認識して泊まれば喜ばれるだろう。


 そして常識を逸脱した抜け毛と体臭、コレはもう…ホントに公共の場を使うなと理不尽だと解っていても公共の場を使うなと思ってしまう。


 清掃員も限界というものが存在するのだ。


 公共の場で働く人が人間嫌いになるというのが今はよく解る。


 何が言いたいか?

 人は一人だと大人しいが、群れるとバカになるということだ。


 恋人、友人、家族、何らかの関係で思い出に残るのだろうけど…

 借りた部屋を汚していくことが、アナタ達の思い出なのですか?


 問えるものなら聞いてみたいものだ。

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